いつもお茶を飲みながら、日本茶はなんとコクが深いのだろう、と感心している人いませんか。
実は、日本茶も、紅茶も、ウーロン茶も、茶葉そのものは同じ、茶の木の葉っぱから作られているんです。要するに、お茶としてのルーツは同じということです。
なぜなら、日本に伝来してきた茶の木はもともと東南アジア原産。紅茶や烏龍茶の方がルーツに近いのです。
この記事では、そんなお茶の違い、含まれる成分による効能、美味しくするための香り付けをした着香茶、さらに、日本で作られている紅茶のことまで紹介しています。
記事を読み終えると、ぐんとお茶通になっていること間違いなしです。
お茶の文化が世界に広がった
世界中のお茶は同じ葉から作られる
日本茶の風景はよくお目にかかりますね。あのお茶の木は背が低く、作業がしやすいイメージです。
しかし、世界中にある、紅茶や烏龍茶の木はとても背が高いのです。
そして、驚いたことに、日本茶の木も紅茶や烏龍茶の木も、実は、同じ種類の茶の木という種類なんだということです。
チャは、ツバキ科の植物です。学名をCamellia sinensis=カメリア シネンシスと言うようで、国際的にはCamellia sinensis (L.) O.Kuntzeと表記されているそうです。
Camelliaは属名、sinensisは種小名にあとり、「O.Kuntze」は1887年に現在の学名Camellia sinensisを命名したドイツの植物学者クンツの名前を指しているそうです。
初めは紅茶と緑茶は別だと思われていた
大きくは違わない
じつは、クンツが命名するまでは、紅茶をつくる木と緑茶をつくる木は別の種類だと考えられていたそうです。
紅茶をつくる木は樹高が高く、葉が大きいのに比べて、緑茶をつくる木は明らかに小ぶりで葉が小さいといった見た目の違いも大きかったのです。
現在の分類では、紅茶も緑茶も同じcamellia sinensisで、その下位の細分類として分けられています。
中国種(Camellia Sinensis var. sinensis)、アッサム種(Camellia Sinensis var. assamica)、中国大葉種(Camellia Sinensis f.macrophylla)といったぐあいです。
世界の茶の種類
加工方法での違い
チャの葉をどのように加工するかで区分されるのが普通です。茶の葉に付いた酵母による発酵をどこまで進めて酸化させるかの違いで分けられます。
それによって、まず緑茶、ウーロン茶、紅茶に大別されます。
緑茶(不発酵茶)
生産量や消費がもっとも多いお茶です。ほぼすべて釜炒りでつくられます。そのため、発酵が進まず、酸化しないので、茶葉が緑色をしているのが特徴です。
白茶(弱発酵茶)
茶葉が芽吹いて白毛の取れないうちに採取します。発酵度は非常に浅く、自然乾燥させたお茶です。福建省で多く生産されています。
黄茶(弱後発酵茶)
荒茶の製造工程中に軽度の発酵を行ったお茶のことをいいます。
青茶(半発酵茶)
烏龍茶がその代表です。発酵部分の褐色と不発酵部分の緑色が混じり合って、見た目が青っぽく見えます。そこから名がついたそうです。大陸産と台湾産があります。
紅茶(発酵茶)
イギリスの紅茶文化が元になって、中国で独自に発展しました。代表的な「祁門」は世界三大紅茶のひとつで、緑茶に次いで2番目に生産量は多いそうです。
黒茶(後発酵茶)
プーアル茶がその代表で、完成した茶葉に微生物を植え付けて、発酵させます。逆に言えば、これが本物の発酵茶です。
長期保存が可能で、年代物には高い価値が付きます。効果で売買されるのが特徴です。