ごま豆腐は、豆腐と言いながら、豆は使われていないこと、ご存知ですか。
豆腐は大豆を潰して、豆乳を作って、そこに凝固剤を入れて作りますが、ごま豆腐は全く違います。
この記事では、ごま豆腐の由来と作り方を紹介しています。
一度、本場の精進料理でいただいてみたいものです。
どんな時にごま豆腐を食べる?
高野山や永平寺の精進料理のイメージ
ごま豆腐ってどうやって作られているんでしょう。
豆腐というので、いわゆる大豆から作られるお豆腐と同じようなものかといえば、そうではないようです。
ごま豆腐の由来
中国から伝わった料理
まずはゴマの豊かな香り、そしてなめらかでもっちりした舌触り。
修行僧の栄養源として、古くから食べられてきたごま豆腐ですが、永平寺では、味噌ダレをつけて食べるそうです。
まずは、丁寧に炒ったごまをじっくりすりつぶします。そこに、水と葛を加えて練りあげて、豊かな香りとなめらかでもっちりとした味わいが生まれます。
さてこのごま豆腐、一体いつ頃から食されてきたのでしょう。
もともと中国で発展した、石臼を引いて作る練り物が由来だと言われています。
日本で明確にわかっているのは江戸時代で、隠元和尚が日本へ持ち込んだと言われるのが普茶料理です。
これは、葛と植物油を多用した大皿に盛る料理で、その中に麻腐という料理がありました。
葛に練りごまを練り込んで白身魚の刺身のように見せたというのが由来です。
鎌倉時代にはすでに伝わっていた
精進料理は高級料理?
高野山や永平寺の精進料理にあるごま豆腐も、きっと弘法大師や道元禅師が中国で修行した時にきっと麻腐を食べて、それを伝えたのではないかと言われています。
ただし、この料理も、当初は位の高い賓客をもてなすための高級料理だったと言われています。
ごま豆腐の作り方
自宅で作る豊かな味
<材料>
(4人分)
・本葛 20g
・練りごま 30g
・水 200cc
葛粉は、本葛を購入しましょう。本葛の方が葛と比べると少し高価ですが、本葛で作った方がおいしいようです。
<方法>
1.水に葛粉をとく
2.1を茶こしで裏ごしして、ボウルに移します。
3.2に練りごまを加えて、混ぜます。
4.3を鍋に移して、弱火で熱します。3を入れてから弱火で点火します。熱している間は、しゃもじで絶えずかき混ぜます。
5.全体に温まってくると、どんどん粘り気が出てきます。しゃもじが重くなって、すくったときにボテッと落ちるくらいの硬さにします。
6.火を止め、型に流し込みます。空気を抜く作業があるので、ステンレスのトレイがオススメです。
7.冷蔵庫で2時間ほど冷やしたら完成です。
葛粉の代わりに片栗粉を使う方法
家でちょっと味わうならこれでも
家で簡単に作ることができます。片栗粉を使っているので、手軽に作ることができます。
豆乳と白ねりごまの風味が合っていて、わさび醤油とぴったりです。
<材料>
(4人前)
・白ねりごま 大さじ2
・無調整豆乳 300ml
・片栗粉 大さじ3
<作り方>
1.ボウルに全て入れてよく混ぜ合わせます。
2.鍋に1を入れて、弱火で加熱しながら絶えずかき混ぜます。
3.生地がまとまってきたら火からおろします。そして濡れ布巾の上に移してから生地にツヤが出るまでかき混ぜます。
4.3をバットに移して、ラップを密着させるようにかけてから冷蔵庫で1時間ほど固まるまで冷やします。
5.お好みの形に切り分け、お皿に盛り付けます。 仕上げにはわさびを乗せて、薄口しょうゆをかけて食べます。