暑い夏の風物詩はセミお鳴き声ですね。よく聞く蝉の鳴き声は、クマゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシと色々ありますが、見逃せないのはアブラゼミです。
アブラゼミは、全身が黒褐色から茶色をしています。
見ただけではっきりと違いがわかるセミです。また、成虫でも羽根が不透明ですが、これは世界中のセミでも珍しいということです。
体長は6センチ程度、近くで鳴きだすと、かなり強烈に聞こえます。
この記事では、アブラゼミの鳴き方や分布、生息域や生態のことを紹介しています。
アブラゼミの鳴き声
ここから名前の由来も
アブラゼミという名前の由来である「油」は、鳴き声が、油で揚げているような音に聞こえるからだそうです。
アブラゼミの合唱は、7月終わり頃から始まります。クマゼミなどが午前中に聞こえるのに対して、アブラゼミは午後の3時過ぎあたりからよく聞こえるようになります。中には、夜中に鳴いていたりします。
鳴き方
・最初に「ジッジッジッ」と勢いをつけるように鳴き始めます。
・勢いがついて、一気に「ジジジジジジジ〜」が20秒ほど続きます。
・最後に「ジ…ジ…ジ…ジ…ジ…」と尻すぼみになって鳴き終わります。
アブラゼミの分布
西日本では減少傾向に
アブラゼミは、成虫も幼虫も同様に、暑くて湿度の高い気候を好むと言われています。暖冬で雪が少なかったりすると、乾燥にさらされてしまい、幼虫の生育に良くないということです。
昔に比べて、生息地域が狭まっているようです。都市化によって緑が減少し、都市部でのヒートアイランド現象などが要因となって、かなり生息地域が偏ってしまっているようです。
札幌は、以前はアブラゼミが多かったのですが、最近は数が激減してしまい、探しづらいそうです。東北地方の太平洋側の都市部でもかなり減少していて、特に冬の乾燥化が原因とみられています。
日本海側や、内陸では、冬に雪が多いためなのか、そんなにアブラゼミは減少していないそうです。また、関東地方では、まだまだ多数みられますし、関東以西の日本海側や四国・九州では、まだまだ優勢です。
一方、西日本でも、大阪や広島などの大都市での減少が目立っています。そして、乾燥に強いクマゼミが優勢になってきているようです。東京では、乾燥に強いミンミンゼミが増えてきているということです。
アブラゼミの生態
見てわかるアブラゼミの特徴
アブラゼミとはカメムシ目・アブラゼミ科の昆虫になります。日本中の広い地域に分布しています。
アブラゼミの生活
地中の生活が長く、成虫の寿命は一週間程度しかありません。アブラゼミでは、地上で一週間程度、地中にいるのが約6年になるそうです。幼虫は地中で木の根から樹液を吸って成長していくということです。
アブラゼミの生息
地域
北海道、本州、四国、九州、南西諸島
場所
低山、平地、雑木林
みられる時期
7月〜10月前半
アブラゼミの特徴
体色は黒地で体長は55mm程度です。背に白帯がまだら状になっています。頭部が丸く、翅が褐色で不透明になっています。オスよりもメスの方が大きく、脱け殻の触角が太く、脱け殻はやや暗褐色です。
餌
アブラゼミは主に木の樹液をエサにしています。手頃な柔らかさの樹皮に、口吻を突き刺して吸い付いて吸います。
羽化
幼虫が成虫になるまでは、羽化開始から大体3時間くらいです。まず地中から出てきて羽化をする場所を探し、背中が中央からパックリ半分に割れて、中から緑がかった白い不透明の幼虫が出てきます。
だいたい、1時間もあれば脱け殻から抜け出せて、その後はじっとしています。そして、体が固まった頃を見計らって飛び立って行くわけです。
セミの鳴き声の仕組み
セミによって鳴き声が違うわけ
セミは体内に発生器があります。そして、筋肉で鼓膜を振動させているそうです。その振動させ方や発音器の大きさや形はセミの種類のよって異なります。
鳴くのはオスだけ
セミが鳴いているのは求愛のためです。せみのな着替えの違いは、同じ種類のセミを探しやすいようにするためのようです。
また、鳴いた後ミンミンゼミやクマゼミはすぐ他の木に移動してメスを探します。しかし、アブラゼミはずっと同じ木にいてメスが来るのを待っているそうです。