カシワバアジサイは、北アメリカ東部原産のアジサイの仲間です。
このアジサイの野生種は、アジア東部と南アメリカに約30種が分布しているそうです。
この記事では、カシワバアジサイと普通のアジサイと違いや育て方、剪定の仕方を紹介しています。
カシワバアジサイの葉はかしわとそっくり
ボリュームのある見事な花
カシワバアジサイの葉は大きく、深い切れ込みがあります。かしわもちに使うかしわの葉の形と似ていることからこの名前が付いたと言われています。
6月から7月にかけて、白い一重の装飾花が円すい形に咲きます。八重咲きの花房は自重で枝ごとうつむいてしまうこともあります。
花は咲いてから次第にピンク色に変わっていきます。秋になると、紅葉も楽しめます。晩秋になると葉は深みのある赤色に色づくのです。
園芸品種
スノーフレーク
八重咲きで花房にボリュームがあります。
ハーモニー
巨大な花房が見事です。
スノークイーン
一重咲きで、可憐な花
カシワバアジサイの育て方
比較的簡単、手間いらず
くつかのポイントを押さえれば、育て方はそれほど難しくはありません。
栽培環境
カシワバアジサイは生育旺盛で、樹高は中程度、ほかのアジサイとは違って、幹ができます。大きく育つので、庭植えにするか、大型のコンテナが向いています。
日当たり・置き場所
夏の高温期に極端に乾燥しない、湿り気のある半日陰が適しています。あまり日当たりが悪いと、花付が悪くなります。
水やり
地植えで適度に湿っていたら、特に水やりは不要です。しかし、乾燥に弱いので、鉢植え屋コンテナ植えでは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと与えます。
肥料
年に3回与えます。1月上旬から2月下旬に寒肥、開花後の6月下旬から8月中旬にお礼肥、秋の生育期の9月から10月にも与えます。油かすや緩効性化成肥料を株元に施します。
病気
うどんこ病では、葉に白い粉を吹いたようなカビが生え、ひどくなると、葉が枯れます。湿度が低いときや、枝が茂りすぎると発生します。
害虫
春から秋にかけて、ハダニやコナジラミが発生しやすくなります。葉について吸汁するので、葉が茶色に変色し、ひどい場合は落葉します。
用土(鉢植え)
水もちと水はけが良く、腐植質のたっぷり入った用土が必要です。鉢植えの場合、赤玉土小粒、鹿沼土小粒、腐葉土を、3:2:3に混合したものを使います。地植えの場合、植え付ける場所に堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおきます。
植え付け
植え付けの適期は春に芽が出る3月から4月ごろです。秋の紅葉が始まる頃の10月から11月も適期のようです。
ふやし方
カシワバアジサイはさし木でふやします。適期は6月から7月で、その年に伸びた新しい枝を使ったらいいでしょう。
カシワバアジサイの剪定
放っておくと、幹ができる
カシワバアジサイは大きくなると幹ができてきます。そのため、剪定しないでおくと、1本立ちの樹木になってしまうのです。
そこで、若木のうちに、地面から20cm程度の高さの芽の上を剪定します。こうすると、地際から複数の枝が伸びて、こんもりとした樹形をつくることができるのです
この剪定を落葉期に行うと、その翌年には花は咲かないことになります。
カシワバアジサイの冬越えの仕方
上手に冬を越すには
秋になって、落葉すると、枝の先端では花芽の分化が進んでいます。花芽の分化は、12月ごろまで続きます。
カシワバアジサイも乾燥した冷たい風が苦手なので、花芽が冬の冷たい風にさらされないように工夫します。
雪の降らない寒冷地のほうが、冬越しには注意が必要になります。うまく冬を越すと、2月の下旬には、休眠期を終える準備がはじまります。