伝統芸能といえば、日本では能や歌舞伎と言ったものが挙げられますが、ヨーロッパでは、オペラですね。
オペラの劇場は歴史を持つ古い建物も多く残され、未だ、公演が続いているのですね。
能に対して狂言があるのと、オペラに対してオペレッタが存在するのは、なんとなく似ていますね。
この記事では、オペラとオペレッタの違いと、ミュージカルの世界に与えた影響などを紹介しています。
伝統に支えられたオペラ
イタリア発祥のオペラ
16世紀末にイタリアのフィレンツェで、古代ギリシャ劇を再現させる試みから誕生したとされていて、その後ドイツ、フランスへと広がりました。
もともと貴族や上流階級などの富裕層向けに上演されており、誰でも観られるものではありませんでした。
日本語で歌劇と訳されるように歌が最も重要で、セリフも含めて歌で表現されます。音楽なしにセリフだけということがないのです。
また、ほとんどの作品には踊りが含まれません。あるとすれば歌う人とは別にダンサーが登場しバレエを踊ります。
歌はマイクを通しません。そのため声量が求められます。オペラ歌手は喉に負担の内容に横隔膜をゆっくりと上下させて歌います。これはベルカント唱法と呼ばれます。
一度の公演でかなり体力消耗となるため、同じ歌手が2日連続で舞台に上がることはありません。また、一つの作品の公演が長期間続くこともありません。
劇中に使われる音楽はクラシックのみです。規模の大小はあってもオーケストラの生演奏です。オペラは恋人との別れや命を絶つといった悲劇を扱う作品がほとんどです。
また、ドイツ語やイタリア語といったオリジナルの言語で歌われることが多いため、私たち日本人がその場で歌詞の意味を理解するのはなかなか難しいです。
それでも楽しめるのはオペラのほとんどは古典的な作品なので、ストーリーをあらかじめ把握できるからです。
美しい声と音楽で人々を魅了する芸術
厳かな空気の中に生まれる美の世界
美しい歌声と壮大な音楽で紡がれるオペラ、オペレッタ。音楽という芸術で私たちを魅了してくれます。
しかし、このオペラとオペレッタの差は一体何なのでしょうか?どちらも歌と音楽で構成されていますが、どちらが先に生まれたのでしょう?
それぞれの歴史と違い
名前は似ているけど
オペラとオペレッタは名前こそ似ていますが、二つの差が存在しています。勿論歴史も違うのですが、作品の傾向の違いもあるようですよ。
まずオペラが誕生したと明確にされているのは16世紀末から17世紀の初め、イタリアのフィレンツェで生まれたそうです。
元々、古代ギリシャで演じられた悲劇を復活させる動きからスタートしたともいわれているそうです。
オペラは主に貴族が楽しむもので、貴族たちのサロンで生まれ、発展していきました。しかし、その魅力的な世界は民衆にも伝わっていき、貴族だけでなく民衆にも大きく広がっていったそうです。
その後、オペラから生まれたのがオペレッタです。19世紀後半頃パリやウィーンで人気が出たオペレッタは当初、大衆の娯楽として扱われていたそうです。
その為作品傾向もコミカルなものが多く、「軽歌劇」とされていました。因みにオペレッタという言葉は「小さなオペラ」という意味です。
オペラとオペレッタ、どちらもクラシック音楽で演奏されています。じゃあ違いは何なのかというと、作品傾向の違いがよく言われている両作品の差のようです。
「オペラは悲劇の作品が多い」とされており、反対に「オペレッタはハッピーエンドや喜劇の作品が多い」とされているそうです。
しかし、「オペラだから悲劇、オペレッタだから喜劇」という分け方に少々疑問もあるとされることも。オペラでも喜劇作品は存在しており、またオペレッタでも悲劇作品が存在しているそうです。
ただ比率でいうとそういう傾向のものが多いという感じなのでしょう。