必須ミネラル亜鉛とは
あまりにも重要
亜鉛という金属は人の体内に約2000mgほど存在しているそうです。
その存在場所は、主に骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などです。
亜鉛の最も重要なはたらきのとして忘れてはならないのが、タンパク質の合成に関わる酵素の材料として使われていることだそうです。
亜鉛は人の体に必要とされている必須ミネラルである16種に含まれているそうです。亜鉛は体内で作り出すことはできません。
したがって、体の外から、食事として摂取する必要があるわけです。亜鉛が不足するとさまざまな症状を起こすことがわかっています。
亜鉛のはたらき
亜鉛のおかげ
じつは、亜鉛は新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応といったさまざまな働きを支える重要な役目を持っているのです。
正常な味覚
人は食物の味を、舌にある味蕾という受容器官で感じとっています。この味蕾の中の味細胞というところで亜鉛は重要な働きをしているそうです。
味細胞は短期間で生まれ変わるので、その材料となる亜鉛が常に必要になります。その亜鉛が十分にあれば、味蕾の働きが正常に保たれるわけです。
抗酸化作用
亜鉛がビタミンAの代謝を促すことで、ビタミンAの抗酸化作用を活性化させます。これによって、過酸化脂質の害を防ぐことができます。
免疫力向上
亜鉛が十分にあることで、風邪や感染症を予防できます。亜鉛には、粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があるからです。
そして、のどの痛みなどの風邪の諸症状を緩和してくれるのです。さらに白血球にも亜鉛は含まれていて、これによって、傷や病気の早期回復にも役立ちます。
成長促進
体の新陳代謝が活発な時期に亜鉛とても必要になります。特に成長期の子供にとっては、亜鉛の摂取は重要な問題になります。
美肌や美髮
皮膚や髪はタンパク質からできているので、亜鉛の摂取によって、代謝が促されて、それによって、皮膚や髪のトラブルが改善されます。
また、皮膚や髪の新陳代謝が速くなり、美肌や美髪の効果が期待できます。
生殖機能改善
じつは、男性の前立腺や精子には亜鉛が多く存在しているのです。精子の形成にとって、亜鉛は必須で、亜鉛の補給は生殖機能改善に効果があると言われています。
うつの緩和
うつ状態になると、脳の機能が低下して、神経細胞の刺激伝達がうまくいかなくなります。このとき神経伝達物質を作るのに亜鉛がかかわっているそうです。
したがって、亜鉛が十分あると、精神が安定し、脳の機能が高まって、うつ状態の緩和が期待できると考えられていのです。
怖い亜鉛不足
亜鉛不足の症状とは?
近年、亜鉛不足が指摘されているそうです。最近の国民健康・栄養調査でも男女ともに亜鉛の推奨量を下回っているそうです。
では、亜鉛が不足すると、どのような症状が起こるのでしょうか。
味覚障害
味蕾の働きが低下します。
免疫力の低下
亜鉛は免疫機能に関わりのある細胞の働きに関係があり、不足すると免疫力が低下します。感染症にもかかりやすくなり、さらに自己免疫疾患も引き起こすと言われています。
爪や皮膚の異常
かゆみを伴う皮膚や慢性湿疹、爪の異常や脱毛なども亜鉛の欠乏が関係していると言われています。
成長障害
亜鉛はタンパク質やホルモンの合成、DNAの複製など深く関わっているので、欠乏すると、成長障害が起こります。
男性の生殖機能低下
不妊男性は亜鉛不足によって、精子の運動率や精子数に影響があると言われています。EDや前立腺肥大にも影響あると言われています。
亜鉛が摂れる食事
亜鉛不足は解消は工夫次第
亜鉛は人間にとっても重要ですが、じつは、どの生物でも同様に重要なミネラルです。したがって、肉、魚介、種、実などほとんどの食品に含まれているのです。
ただ、亜鉛を特に多く含むものをとることで、摂取不足を防ぐことが可能になります。
特に多いもの
・牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生など
鉄を多く摂ると亜鉛の吸収が阻害されるそうです。逆に、亜鉛を多く摂ると銅の吸収を阻害するというふうに、ミネラルのバランスも必要だといわれています。
メニューの工夫で亜鉛不足を防ぐ
・亜鉛を多く含む高野豆腐と切干大根、牡蠣、アーモンドなどを取り入れ、ご飯は精白米よりも亜鉛を多く含む胚芽米を使います。
・小麦胚芽には亜鉛が多く含まれるので、胚芽入りパスタを使います。サラダにはナッツ類やプロセスチーズを加えると亜鉛の補給ができます。
・お酒のおつまみに、レバニラ炒めやチーズ盛り合わせ、ミックスナッツなどを使います。レバーやチーズ、ナッツは亜鉛を多く含みます。