五月病の意味と由来
年度替わりのプチうつ
新年度になると、、心機一転ですね。もちろん、仕事も新たな気持ちで頑張るぞ、と意気込むのが普通だと思います。
ところが、ゴールデンウィークを越えたあたりになると、モチベーションを維持できないことに気がつきます。
それどころか、人によっては、気分は次第に落ち込んでいって、プチうつ状態になる人も出てくるのです。
そのために、毎朝、出社するのがつらいといったパターンに陥ってしまうケースもしばしばだと言われています。
4月はあんなに明るく、やる気満々だったのに、最近はなんだか暗くて、落ち込んでいるように見える、それって、5月病かもしれません。
5月病は正式な病名ではありませんが、新しい環境に適応できないことによる、一時的なうつ状態のような意欲低下状態の呼び名だそうです。
五月病の原因は?
張り切った反動!
4月は就職や転職で、新しい環境に対して、やる気を出そうと、ちょっとばかり無理をしてしまう人も多いわけです。
そのうち、1カ月ほど経過すると、当初の目標や理想とのギャップを感じ始めるわけです。
そして、ふっと糸が切れたようにやる気が無くなってしまうのです。かつて張り切っていた分、その反動も大きいのではないでしょうか。
よく、大型連休が原因で会社に行きたくなくなる、といわれるのですが、実際は、必要以上に燃えていた頭が連休で冷やされて、その落差を感じているわけです。
もうすでに現実を知ってしまった分だけ、ふたたびやる気を出して、4月と同じように頑張るのは難しいのですね。
どんな人が五月病にかかりやすいのか
よく言われるのが、責任感が強い人、几帳面で完璧主義の人、理想主義の人などですが、それに当てはまらない人でも発症しています。
要は、環境の変化を、必要以上にうけてストレスだと感じてしまう人が多いと言うことなのです。
これを自分は関係ない、と思っていると、思わぬプレッシャに気持ちの落ち込みから脱出できないという、他人事ではないことになるわけです。
症状が起こっても、気分転換や友人からの助言で軽減できればいいのですが、不安やあせりが大きく、症状が悪化し、長期化していしまうこともあります。
もう、こうなってしまうと、簡単に済ませることはできません。気分障害という精神疾患を発症している可能性もあるのです。
主な症状は?
うつ病、躁うつ病
よく知られているうつ病だけでなく、暗いうつ状態と明るい躁状態を繰り返す、躁うつ病という、双極性障害があります。
また、うつほど深刻ではないにしても、長期にわたって不調が続く、気分変調症というものもあります。
さらに、新しい環境にうまく適応できずに、不眠、頭痛がおこり、不安感、イライラ感や意欲の低下などの精神症状までおこる不安障害があります。
具体的な症状
・睡眠障害
・免疫力の低下
・頭痛
・食欲不振
・めまい、動悸
・会社へ行きたくなくなる
・イライラする
・焦りや不安を感じる
・何をするにも面倒くさくなる
・周りのことへの興味・関心がなくなる
このような状態は、抑うつ症状といわれて、必ずしも病気とは限りません。しかし、放っておくと大変な事態が訪れるかも知れません。
抑うつは意欲や行動を阻害します。そして、症状を深めるという悪循環を引き起こして、その結果、うつ病を発症するのです。
うつ病は、脳の中でノルアドレナリンやセロトニンという神経伝達物質を減少させます。
また、ストレス、家庭内でのもめごと、または完璧主義といった性格も神経伝達物質を減少させるといわれています。
さらに、不安症状によって、原因を除けなければ、不安が増して、交感神経、副交感神経といった自律神経系のバランスが崩れます。
五月病対策
五月病にならないためにすべきこと
五月病は、誰にでも発症の可能性があります。つねに、そうならないために予防する意識が必要です。
1.ストレスを溜めない
環境が変わって、自分の意見も出せずに飲み込んでしまっているかもしれません。それが、ストレスになって、溜まっていきます。
2.張り切り過ぎない
転職や、異動であせってしまうのです。活躍しなければいけないと、飛ばしすぎて、疲れてしまうのです。
3.ゴールデンウィークをゆったり過ごす
仕事を忘れてリラックスする時間も重要です。しかし、生活のリズムを崩してしまうと、そこから戻れません。
本当にしんどいときは病院へ
もし、しんどい状況から回復できなければ、無理をせず、早いめに病院へ行くのが正解です。
神経科や心療内科などで、専門医の的確なアドバイスを受けると、気分的にも楽になり、早期回復が見込めるのです。
もし、症状が悪化してしまうと、より深刻なうつ病になってしまいかねません。そうなると、時間がかかっても、気長に付き合う必要が出てくるのです。