スマートフォンの電池残量が気になる、という経験はありませんか。現在、私たちがよく使用しているリチウムイオン電池は、日本が主導して開発と実用化を進めてきた逸品です。実際、ノーベル賞も日本の科学者に贈られた実績があります。
本記事では、リチウムイオン電池の特徴や利点、欠点について詳しく説明します。さらに、実用化が近いとされる全固体電池についても解説します。スマートフォンの電池問題に新たな解をもたらす全固体電池とは一体何なのか、その可能性や課題について掘り下げていきましょう。電池の違いを理解することで、スマートフォン利用の見方が一変するかもしれません。
夢の次世代電池全固体電池誕生!
全個体電池とは
電気自動車やスマートフォンが一般に普及するようになって、新たな電池の開発が急務になっています。
現在は、電気自動車でも、スマートフォンでも、リチウムイオン電池が多く使用されています。
リチウムイオン電池は、充電ができる優れた電池ですが、劣化するのが早いという欠点があります。
ガラケーからスマートフォンに買い替えるのを渋っている人の多くが、バッテリーの持ちを気にしているという傾向もあるようです。
全個体電池とは、電池に使用するすべての物質が個体であるのが特徴の電池です。そのため、液漏れが起こりません。
全個体電池の特徴
メリット
安全性が高い
全個体電池は、リチウムイオン電池と比べて安全性が高いと言われています。
近年、リチウムイオン電池が発火する事件が多発していますが、全個体電池では、そのような危険性が低いのです。
温度変化に強い
温度の影響を受けにくいのもメリットです。
リチウムイオン電池では、低温や高温になると、電池のとしての機能が低下するのに対して、全個体電池では安定して電気を供給できるとされています。
劣化しにくい
何よりのメリットが、リチウムイオン電池に比べて劣化しにくいという特徴があります。
デメリット
技術が未発達
その反面、材料の生産技術や電池の製造技術が未発達という点があります。
設備が不十分
まだまだ安定生産を行うには、設備等が追い付いていないのです。
全個体電池の実用性について
全個体電池の開発の今
全個体電池は、電気自動車を普及させるために必須と言える新技術です。
そのため、トヨタを中心とした自動車会社が、全個体電池の開発に力を入れています。
現在のリチウムイオン電池では、急速充電で80%まで充電するのに30分から40分ほどかかります。また航続距離に不安があるのも事実です。
それが全個体電池になると、ガソリン自動車に近い実用性が期待できるのです。
電池の重量も大幅に軽量化できます。低価格化にも寄与し、1000回程度の使用でも劣化しないと言われています。
実用性までの課題
全個体電池が普及するには
全個体電池が実用化されるのは2030年くらいだと言われています。
基礎研究は終わっているのですが、実用化までにはまだまだ多くの課題があります。
特に電気自動車に搭載するためには、全国に充電設備などのインフラ整備をしなければいけません。
ただこれは、ガソリンスタンドや水素スタンドに比べて、はるかに低コストで実現できると言われています。
安全設備などの管理面も、ガソリンスタンドや水素スタンドに比べると低いと言われています。
全個体電池が小型化すれば、スマートフォンにも搭載される日が来ることでしょう。
バッテリーの劣化を気にする時代は、もう少しで終わるのかもしれません。