一週間が7日あることに疑問を持ったことありませんか。
また、なぜ、曜日というのが必要だったのでしょう。
実は、これは、昔の暦の運用と深い関わりがあるのです。
この記事では、一週間が生まれたわけ、そして、世界中で使われるようになったわけを紹介しています。
1週間は、何故、7日間?
七曜の秘密
七曜。
聞きなれない言葉ではないでしょうか。
七曜とは、肉眼で見える火星、水星、木星、金星に太陽と月を合わせた7つの星を指します。七曜星とも呼ばれることがあります。
古代中国では占星術で重視された考え方です。
似たような言葉に、「六曜」と「九曜」があります。
六曜とは、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種類のことです。暦に記載されているのを見たことがある人も多いでしょう。
九曜とは、インド天文学やインド占星術が重視する9つの天体のことです。
七曜に月の昇交点と月の降交点の2つを合わせた9つで表されます。日本では、仏教と結びつき、九曜曼荼羅として信仰の対象になりました。
何故、七曜が1週間?
地上を守護する七曜
七曜にも順番があります。今の暦は、日曜日からはじまるものと、月曜日からはじまるものが主になっています。しかし、七曜では土曜日からはじまるのです。
これは天体の運動に関係しています。天球上の動きが遅い、つまり地球からの距離が遠い土星が最初で、木星、火星、太陽、金星、水星、月の順です。今の1週間とは、まったく異なる順序です。
その当時は、七曜が1時間ごとに地上を守護すると考えられていました。そうすると、土星からはじまった次の日は太陽からはじまるとなります。
これが現在の1週間で、土星、太陽、月、火星、水星、木星、金星の並びになったベースになります。
世界における曜日
世界ではどうなっている?
イタリアやスペインなどでは、キリスト教やローマ神話の影響を色濃く受けています。
日曜日は「主」、月曜日は「月」、火曜日は「軍神マルス」、水曜日は「商業の神メルクリウス」、木曜日は「神々の王ユピテル」、金曜日は「愛の女神ウェヌス」、土曜日は「ユダヤ教の安息日」を意味する言葉になっているのです。
英語やドイツ語、オランダ語などのゲルマン系の言語では、ローマ神話の神々の代わりに北欧神話の神が使用されています。
日曜日は「太陽」、月曜日は「月」、火曜日は「天空神テュール」、水曜日は「主神オーディン」、木曜日は「雷神トール」、金曜日は「愛の女神フレイヤ」を意味する言葉になっています。
1週間のはじまり
何曜日からはじまる?
日本では、曜日の順列を定めているのはJIS規格です。それによれば、月曜日がはじまりで、日曜日が終わりとなっています。
国際基準のISO8601でも、月曜日がはじまりだと定められています。これにより、国際航空業界の時刻表なども月曜日がはじまりとなるように記載されています。
その一方で、ドイツ語では水曜日を「週の中間」と呼びます。これは、日曜日がはじまりの考え方に由来するものです。
またスワヒリ語では、週の起点は金曜日か土曜日とされています。
このように、国際的には月曜日が週のはじまりとなっていますが、宗教的、文化的な理由で、その他の曜日が起点となっている国も残っているのですね。