なぜか同類のように扱われてしまうメープルシロップとハチミツですが、全く違う製品です。
メープルとはサトウカエデやイタヤカエデといったカエデ属の植物のことを言います。
要するに、メープルシロップはこれらカエデ属の樹木から採取できる樹液なんですね。
一方、ハチミツとは花の蜜をミツバチが採取して濃縮させたものです。
この記事では、メープルシロップとハチミツそれぞれについての説明と、違いを紹介しています。
カエデの木から採取するメープルシロップとは
カナダの国旗からも連想できる
カナダと言えば、真っ先に思い浮かぶのがカエデの葉の国旗でしょうか。そして、そのカエデの木から作ったメープルシロップ。
カナディアンメープルシロップというのは、カエデの樹液から作られます。まさに自然の恵みが凝縮されたシロップなのです。
メープルシロップの発祥
メープルシロップの歴史
カエデの樹木からメープルシロップが取れることは、カナダの先住民も知っていたようです。
先住民は樹の幹に穴を開けて、樺の木で作ったかごの中に樹液を集めました。それを煮詰めてシロップを作っていたようです。
じつは、1600年頃にカナディアンが先住民から収穫の工程やメープルシロップの作り方を教わったといわれています。
いまでは、技術が発達して、カエデの樹にパイプを張り巡らせ収穫しますが、昔ながらの方法で収穫する農家もあるそうです。煮詰める方法は昔から変わっていないようです。
メープルシロップを取る昔ながらの方法とは
樹液をバケツに集めます。これをメープルウォーターといいます。これを煮詰める小屋である、シュガーシャックへ運びます。
メープルウォーターが採取できるのは、じつは、シュガーリングオフと呼ばれる、一年の内でも10~15日間ほどのわずかな期間だそうです。
メープルシロップは、そのメープルウォーターを煮詰めて作るので、100%天然食品なのです。
メープルシロップの作り方
100%自然の甘味料
カエデの木々から採取されたメープルの樹液=メープルウォーターは、 透明な液体です。 水のようにさらっとしています。かすかに甘みを感じる程度だそうです。
この樹液をシュガーシャックと呼ばれる小屋に集め、グツグツ煮詰めます。すると、あの琥珀色のシロップになるのです。
40リットルのメープルウォーターからは約1リットルのシロップしかできません。それくらい、貴重なものだったのです。
このように、本物のメープルシロップは、保存料、添加物は一切 入っていないのです。
メープルシロップの品質
メープルシロップは、2週間ほどたつと、色が変わってきます。透過度によって等級が決められていて、作りながら色の変化に気を配ることになります。
タンクに保存されたメープルシロップは、ケベック州政府の準検査機関の検査を受けて 糖度や色を確認します。
その厳しい検査をくぐり抜けて、合格すると、グレード=等級を決められと出荷許可が出るわけです。
メープルシロップのグレード
2017年から、表記が変わったそうです。等級は光の透過度により分かれているそうです。
・No 1 エキストラ ライト
・No 1 ライト
・No 1 ミディアム
・No 2 アンバー
・No 3 ダーク
メープルシロップの利用法と効能とは?
メープルシロップの栄養価
メープルシロップは、大地の栄養を含んでいます。カルシウムやマグネシウム、亜鉛、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれているそうです。
メープルシロップは砂糖や蜂蜜よりもカロリーが低く、健康のためにも砂糖の代用にメープルシロップを使うことがいいわけです。
ハチミツの方がカロリーが少し高い
ボツリヌス菌の芽胞?
ハチミツは花の蜜をミツバチが採取したものを濃縮させたものです。
甘佐(羽衣)に関して言えば、メープルシロップの糖分はショ糖ですが、ハチミツの糖分はブドウ糖と果糖になります。
集められてくる花の蜜そのものはショ糖なんですが、ハチが酵素分解してブドウ糖と果糖になるそうです。
ということで、ハチミツは糖が分解されていることになり、吸収されやすいわけです。
その分ハチミツはカロリーが高めになり、ハチミツは100gあたり304カロリー、メープルシロップは100gあたり260カロリーです。
栄養価で言えば、ハチミツの方に軍配が上がります。ハチミツにはビタミンB3やビタミンC、葉酸などのビタミンが含まれていますが、メープルシロップはビタミンはあまり含んでいません。
ただ、ミネラルはメープルシロップの方が多いそうです。
どちらもポリフェノールが豊富なので、強い抗酸化作用で活性酸素を抑制してくれるので、病気予防や美容に期待できるかもしれません。
ここで一つ問題があります。それは、1歳未満の乳幼児にはハチミツは良くないということです。
ハチミツにはボツリヌス菌の芽胞が含まれていて、1歳以下の子供では腸内細菌が少ないために、こレヲ処理できないことで危険があるわけです。
メープルシロップは加熱処理で作られるので、ボツリヌス菌は含まれていません。
そういうわけで、離乳食や赤ちゃんのおやつなどに使う場合はハチミツは使わずメープルシロップを使うといいのです。