「ご使用後、水は流れませんが、清潔さを保つことができます」
駅の男子用トイレの小便器にこんなことを書いてあるのを見かけますね。
この「無水トイレ」、確かに水が流れることはありません。
そして、水洗トイレというものが普通になっている人にとっては、この水が流れないというのはとっても違和感があるんだそうです。
どうしても、ホントに流さなくていいのかな?という疑念が便器から立ち去るときに残ってしまうとか。
ようするに、水が流れるという安心感が逆に不安の原因を作っているわけです。
無水トイレは、水を流さなくても平気?
あまりにもシンプルで不安
無水トイレは、水道管もセンサーも取り付けられていません。形もシンプルで、本当に大丈夫か、という不安をさらに増幅させてしまいそうです。
やはり、仕組みを理解して、納得できないと、どうにも不安から抜け出せそうにありません。
アメリカ発のトイレ
臭いの原因を探る
無水トイレは、アメリカで発明されました。その発想は、水を流すことが果たして必要なのか、というところからだそうです。
尿を流す時に使う水は、トイレの清潔さを保つことが目的です。しかし、同時に、臭いをなくすためだったはずなのですが、それが違っていたんです。
小便には、尿素が含まれているが、尿素自体はほとんど無臭なのです。臭うのはアンモニアで、それは尿素が水と反応して生まれるのだとか。
だから、水を流すことが臭いを発生させることになっているというわけです。
それを解決したのが無水トイレ。水を流さないので、アンモニアが発生しにくくなり、臭わないというわけです。
おしっこに蓋をする発想
流れた後にシャットアウト
無水トイレの排尿口の下にはトラップと呼ばれる液だめがあるそうです。このトラップ中には、水よりも比重が軽い液体が入っていて、シール液と言います。
このシール液が常に尿を覆うことになり、排尿口からの悪臭はシャットアウトされるということになります。
あとは便器の側面が汚れるので、清潔さを保つためには、日々のメンテナンスが必要不可欠ということになります。
そのために毎日一回は、専用の洗剤で掃除し、排尿口の下のトラップも2ヶ月ほどで交換が必要になるそうです。
また、便器に尿が流れ残ったとしても、乾くとパウダー状になり、それを毎日専用のクリーナーで拭き取るそうです。
その時も水を使わないので、いつでも清潔な状態を保てるわけです。
仕組みを知れば納得
安心して使おう
トイレの仕組みも大切なのですが、気持ちよく使えるのは、やはり掃除してくれる人がいるからだということがよくわかります。
やはり、感謝の気持ちでトイレは使うべきですね。