花冷えのの花は桜の意味だそうです。
その桜の花も咲き乱れて、冬の厳しい寒さも過ぎて、春なのに、また寒くなってきた、といった状況のことですね。
この意味から、手紙の中に季節のことを織り交ぜる時に使います。
この記事では、花冷えの言葉の由来、意味と手紙での使いかた、時期と季節の特徴を紹介しています。
花冷えは寒さが戻ること
桜の花と合わせて季節感満載
ふつう、4月は暖かさが支配的になりますが、ときには高緯度地方から冷たい空気をもった高気圧が南下してきます。そのために低温になり、南関東でも雪が降ることもあるそうです。
要するに、桜の咲く時期になってきて暖かくなってきたのに、また寒さがぶり返して冷え込むようすをいうわけです。
いつ頃が花冷えになる?
ソメイヨシノの開花時期
花冷えがぴったりな時期はソメイヨシノが満開から葉桜になりかけるころ。3月下旬~4月上旬の頃だといわれています。
桜の開花から満開になって葉桜になり始めるまでは、だいたい2週間あまり。その間に寒さが戻ってきたら花冷えという表現ができるわけです。
まだまだ北には冷たい空気
この時期になっても、北からは冷たい空気をもった高気圧が南下してくることがあります。そうすると、一気に寒くなります。
また、その気温の低下のために、花の寿命が長続きするということになり、長く花見を楽しめる、というそんな情景もあるんですね。
ちなみに花冷えになると気温は6℃~7℃くらいまで冷え込むので、温かさを求めている体には、ちょっと厳しいものがありそうです。
花冷えの言葉を活用する手紙
挨拶文などに入れて、季節感たっぷりに
・文頭の例
拝啓、花冷えの候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・文末の例
花冷えの折、どうかご自愛専一にて、貴社の更なる発展を心よりお祈り申し上げます。敬具
花冷えは季節的に気温が変動しやすく、体調も崩しやすい頃合いなので、気遣いの言葉も入れておくと温かみのある文章になるでしょう。
「花冷えの候」「花冷えみぎり」での書き出しや「花冷えの折、くれぐれもご自愛くださいませ」などの使い方がふさわしいようですね。
俳句にも用いられる有名な「季語」
さまざまな俳句に好んで使われる
俳句に使われるのは、情景がすばらしいことと、季節感が突出しているからだと思います。
俳句では「花冷え」は春の寒い時を指す言葉になり、春の「季語」として使えるわけです。
有名な俳句を2つ
・花冷えや剥落しるき襖の絵 水原秋桜子
・花冷えの闇にあらはれ篝守 高野素十