ハッピーマンデー制度とは、従来の祝日の一部を特定週の月曜日に移動させるという制度です。
これにより、土日と合わせて3連休になることを狙いにしています。
しかし、祝日の意味が失われてしまい、経済効果だけが一人歩きしていると、根強い反対意見があることも事実です。
この記事では、ハッピーマンデー制度の仕組みと、反対する声を紹介しています。
制度の仕組みについて
ハッピーマンデー制度とは
この制度は週休二日制が浸透してきた2000年より実施されています。
世界的に見て、働きすぎの傾向が高かった日本人ですから、それを是正するために、週休二日制度に続く政策であると言えるんですね。
制度によって移動した祝日
月曜日が祝日に
ハッピーマンデー制度で移動した祝日には、2000年から移動した祝日と2003年から移動した祝日の2種類があります。
2000年に移動した祝日
本来、1月15日だった成人の日が、1月の第2月曜日に移動しました。
10月10日だった体育の日が10月の第2月曜日に移動しました。ちなみに、体育の日は2020年にスポーツの日と名称が改められる予定になっています。
2013年に移動した祝日
本来、7月20日だった海の日が、7月の第3月曜日に移動しました。海の日は、2020年に限っては、東京オリンピックの関係で7月23日になります。
敬老の日は、従来は9月15日でしたが、9月の第3月曜日に移動になりました。
祝日の本来の意味が失われることへの危惧
反対の声も
ハッピーマンデー制度には、導入以前から、批判の声、反対の声も多く上がっています。祝日本来が持つ意味が失われてしまうという声は、もっともだと言えます。
またサービス業では、月曜日を休日することにより、前週の金曜日や翌日の火曜日の負担が大きくなるという声が上がっています。
学校関係者からは、学期末に休日が増えるため、カリキュラムが消化しきれないという声もあがっています。
日本人は本当に働きすぎ?
世界から見た働き者のイメージ
かつて高度経済成長期の頃は、バリバリ仕事をこなすモーレツ社員が理想的とされていました。しかし、今では、そのような働き方は否定される傾向にあります。
それでも、日本人はまだまだ働きすぎだというイメージがあります。
リーマンショック以降、日本人の労働時間は減少傾向にあります。ただサービス残業など数字に表れない部分もあります。
2015年のデータでは、日本人1人当たりの労働生産性はOECD加盟国35か国の中で22位と低い水準にとどまっています。また時間当たりの生産性でも、20位と低い水準にとどまっています。
このデータから、日本人は生産性が低いために長時間労働を余儀なくされていると捉えることができます。政府が休日を増やしても、休日出勤などをする必要があるため、効果がないともいえます。
これを改善するには、生産性を高める必要があります。会社の中で無駄を減らし、効率化を進め、作業マニュアルを整備し、生産性を高める。口でいうのは簡単ですが、なかなか難しい問題であるといえます。