三大バイオリンの特徴とは
アマティ
アンドレア・アマティは史上最初のバイオリン製作者の一人と言われているそうです。その二人の息子によってアマティの名が世に知れるようになったということです。
さらに孫のニコロ・アマティが、クレモナをバイオリンの一大生産地にしたといわれています。そして、ニコロ・アマティは多くの弟子を育て上げました。
ニコロ・アマティのバイオリンは緻密で優雅なスタイルだと言われています。
ストラディヴァリ
実は、アントニオ・ストラディヴァリもニコロ・アマティの弟子の一人で、最も有名になった人です。
今や、バイオリンの代名詞ともなったストラディヴァリウスですが、彼が製作したバイオリンは1000本とも2000本とも言われているそうです。
そのうち、現存しているのは600本程度で、中でも1700年初頭、彼が50代後半から70代前半にかけて製作されたものが特に優れていると言われます。
彼には多くの弟子がいて、とても優秀だったのも優れた名器を生み出した原因とも言われています。また、王侯貴族にも気に入られたことで、経済的にも恵まれていたそうです。
ガルネリ
ニコロ・アマティの弟子の中においてストラディヴァリとライバル的存在だったと言われるのがバルトロメオ・ジュゼッペ・アントニオ・ガルネリです。
通称をデル・ジェスといいますが、彼のバイオリンは骨太で野性味があり、ストラディヴァリのような華やかさはないそうです。
彼の生涯は華やかさとは逆で、悲惨な人生のようで、喧嘩をし、牢獄に入ったりしています。そして、牢獄の中でもバイオリンを作り、牢獄の中で作ったバイオリンはプリズン・デルジェスと呼ばれているそうです。
なぜストラディバリウスの方が有名になったのか
世界3大バイオリンとしてガルネリはストラディバリウスと肩を並べています。値段もガルネリの方が高値の場合もあるそうです。
二種類のバイオリンが製作された時期もそんなに違いはありません。ガルネリも、もっと知名度があってもおかしくないのですが、ストラディバリウスの方が圧倒的に有名です。
その理由として考えられるのは、作られたガルネリの数だといわれています。ガルネリ一族が製作したバイオリンはおよそ200挺だとか。現存しているものはその半分にも満たないそうです。
それに比べると、ストラディバリウスの数は桁が違います。まず、ストラディバリウスは1200挺ほど製作されたといわれています。そして現在でもその半分、600挺ほどは残っているといわれているそうです。
最高値のガルネリ
最も高値で売買されたのが、ガルネリ・デル・ジェス「ヴュータン」だといわれています。
1741年に製作された史上最高値のガルネリです。
ベルギーのバイオリニスト「アンリ・ヴュータン」が演奏していたので、この名前がついたといわれています。
ヴュータンは2010年に売りに出されましたが、1800万ドルの売値がつき、話題になったそうです。日本円に換算すると当時のレートでおよそ16億円になるといわれています。
売りに出されてから売れるまでおよそ2年半かかりました。結局、所有したのはバイオリニスト「アン・アキコ・マイヤーズ」で、ヴュータンで演奏されたCDもリリースされているそうです。
ほとんど出回らない名器
ストラディバリウスもガルネリ・デルジェスも270年以上前に制作されたものです。
こういった古いバイオリンの名器につけられた評価によって、市場価格が500万ドル、日本円にして約6億円を超えるようになっているのが現状です。
しかしそのほとんどは収集家や博物館が保有しています。したがって市場に出回ることはほとんどないのが実態です。
また、展示されているストラディバリウスとガルネリ・デルジェスにしても、展示されるだけで、売られることはありません。