ストラディバリはアマティの弟子
バイオリンの名器として君臨する、ストラディバリウス
17世紀後半から18世紀にかけて、バイオリン制作者のアントニオ・ストラディヴァリによって製作されたのが「ストラディバリウス」です。
ストラディバリウスはまぎれもなく、数々の演奏家を虜にしてきました。そして、聴く者を魅了してきた、バイオリンの名器なのです。
クラシック音楽にあまり馴染みがない人でも、ストラディバリウスの名前は、一度は耳にしたことがあるはずです。
バイオリン一挺の価格が数億円はざらで、ときに10億円をゆうに越える値段がつく理由は何なのでしょうか。
名品と言われるわけ
バイオリニストのあこがれに
ストラディバリウスはバイオリニスト自身の心をつかむといわれています。それは、強い音が出ることだそうです。
特に、その特徴が顕著に現われるのは、大規模なコンサートホールで演奏したときだといわれています。
その音は、最後列の端に座っている人でも、はっきりと体で感じることができる程の音色を響かせることができるそうです。
ストラディバリウスは世界に約600挺あるといわれています。そこに共通して持っている特徴が強い音だということです。
音の強さや響き、届き方、個性といった、楽器を越えたものがあり、聴く人の心も演奏家たちの心もつかんでしまうわけです。
ただし、ストラディバリウスは演奏家を選ぶといわれています。腕が良く、さらに相性も合った演奏家が弾かないと、いい音を出してくれないそうです。
楽器としての特徴
大きな音が求められた時代
アントニオ・ストラディヴァリの手による弦楽器は「ストラディバリウス」あるいは省略して「ストラド」と呼ばれています。
ストラディバリの時代のバイオリンは今で言うバロック・バイオリンと呼ばれるものでした。
それは、主に室内楽に用いられたのですが、市民革命の後、音楽そのものが室内楽から、劇場における演奏会へと変わっていったのです。
そんな変化の中、19世紀になると、より大きな華やかな音が出るバイオリンが求められたというわけです。
既存のガット弦やバロック弓の使用を使用を前提としていた楽器も、改造され、ストラディバリウスもオリジナルから、バスパーやネックなどが改造されているそうです。
どこが魅力か
さまざまな演奏家を魅了
楽器そのものが勝手に音を出しているような、そんな錯覚を感じてしまうほどの奥深さがあると言われています。
何か、底知れない深みがあり、形のバランスも非常に美しく、均整のとれていて、美術作品のようなもののように見える言うわけです。
大ホールでオーケストラ相手に、一台のバイオリンが負けない、というのがストラディバリウスなんだそうです。
オールド・イタリアンの選び方の基本
演奏家がオールド・イタリアンを選ぶ時のセオリーがあるそうです。
1.ストラディヴァリが買えない時はガダニーニを買うと良い、それが買えない時はニコロ・ガリアーノを買うと良い。
2.ガルネリ・デル・ジェスが買えない時はロレンツォ・ストリオーニを買うと良い、それが買えない時はカルロ・ジュゼッペ・テスト―レを買うと良い。
こういったものだそうです。それぞれの製作者の特徴と販売価格相場のヒエラルキーを表現しテイルと言えそうです。
オールド・イタリアンの販売価格相場
イタリアのオールド・バイオリンの販売価格の相場は、現在1000万円を超えます。
ニコロ・アマティの弟子世代までが3000万円から1億円前後、ニコロ・アマティ―の孫弟子世代以降およびクレモナ以外のスクールでは1000万円から5000万円前後が一応の目安になるそうです。
ストラディヴァリとガルネリ・デル・ジェスは特別で、販売価格相場は最低で億単位からの取り引きです。
良質なオールド・イタリアンは、市場に出回ることが少なくなる一方だとかで、売り手市場の傾向を強めているのが現状出そうです。