バイオリン愛好家や音楽業界関係者にとって、アマティ、ストラディバリウス、ガルネリという名前は非常に馴染み深いものでしょう。これらの楽器は世界三大バイオリンとして知られ、その美しい音色と独特な造りが高い評価を受けています。
しかし、これらの楽器がなぜ非常に高値がつくのか、そして歴史的な背景は一体どのようなものなのでしょうか。本記事では、アマティ、ストラディバリウス、ガルネリという偉大な製作者の手によって作り出されたバイオリンの歴史とその魅力について探求します。
また、この記事を通じて、これらの楽器がなぜ愛され続けているのか、高値がつく理由にも迫っていきます。
アマティなしではバイオリンの歴史は語れない
美術品としてのバイオリンの源流
バイオリンの姿は、完成されたひとつの美術品のようです。それでいて、伸びやかで繊細な音色を奏でる、楽器なんですね。
そのバイオリンの名器として、アマティがあります。今も愛され続ける名器はどのようにして生まれたのでしょう。
アマティ一族が作り上げたバイオリンのスタイル
ニコロ・アマティ(1596年~1684)は、イタリアのバイオリン製作者として有名です。彼の祖父アンドレア・アマティはイタリアのクレモナで弦楽器製作の始祖的役割を果たしました。
アマティの作られたところは、北イタリアの町クレモナです。名器と言われるバイオリンが、十七世紀以降、この町でたくさん作られたのです。
そのなかでも、特にアマティ一族が作ったバイオリンは、別格の扱いを受けているそうです。これらの作品は、今もバイオリンの手本といわれているくらいです。
アマティ家はもとは地方の豪族で、アンドレア・アマティという人物が、バイオリン型弦楽器を設計したレオナルド・ダ・ヴィンチに近い木工細工職人から製造技術を学んだと言われています。
アマティが名品になったわけ
バイオリン製造技術
アンドレア・アマティは史上最初のバイオリン製作者の一人と言われています。その二人の息子がそれを受け継ぎ、大成功を収めました。
この成功によって、アマティの名が世に知れるようになったのです。その孫のニコロ・アマティが、クレモナをバイオリンの一大生産地へと変えたのです。
さらにニコロ・アマティは多くの弟子を育て上げます。そして、多くの優れた職人を輩出させ、緻密なアマティのバイオリンが世界中に広まったそうです。
じつは、ピアノの前身のフォルテ・ピアノの開発も、ニコロ・アマティの弟子であるバルトオロメオ・クリストフォリという人物だそうです。
アマティの特徴
アマティならではの優しい音
アマティには有名なバイオリン製作家が5人いるそうです。しかし、最も有名なのは、ニコロ・アマティの製作したもので、それをモデルにしたバイオリンもアマティといわれます
弾いたときの音色は、とても耳に優しい柔らかい音だと言われています。ただ、その分音量は少なくなってしまう欠点もあります。
バイオリンの形状としての特徴は、丸っこい胴体、丸っこいf字孔、ふくらみの大きい胴体といったものが特徴だといわれています。
アマティの魅力
三大名器に数えられるわけ
アマティのバイオリンのうち、もっとも評価の高いのがニコロ・アマティの作品だと言われています。
彼は、バイオリン製作を行ったアマティ一族の中でも、最も優秀な作家とされているそうです。
彼の楽器は、19世紀までは、状態よく保存されていたので、アントニオ・ストラディバリやジュゼッペ・デル・ジェスの楽器とともに、演奏家、収集家に認められていたそうです。
現在も世界三大バイオリンとして、評価は高く、特に後年作った、353mm程度の若干大きい楽器は、グランド・アマティとして希少価値がついて、評価が高くなっているそうです。