クチナシの花、と聞いて渡哲也さんの歌を連想するのは、ある年齢以上の人だそうです。もうすでに、そのイメージを持たない世代の方が多くなっているのかもしれません。
実は、クチナシは花だけではないのです。というより、実の方が私たちの生活とは深い関わりを持っていたのです。
なぜなら、たくあんや福神漬けを食べたことがない人は多くはいないからです。
この記事では、クチナシの花のこと、実のこと、
クチナシの花の名前の由来
なぜ、クチナシと呼ばれるのかそのわけ
クチナシという独特な名前の由来は二つあると言われています。
「口無」であるという説
「口無」は、果実ができてもそれが弾けたり裂けたりすることが無い、というところから出ているそうです。
「口梨」であるという説
「口梨」はその果実のなっている様子が梨の実がなっているようだと言うところからだそうです。
クチナシには、ヤエクチナシやコクチナシなどのいくつかの品種があります。花は一重咲きや八重咲きがあり、園芸に多く使われるのは八重咲きのクチナシの方です。
香りが素晴らしいクチナシの魅力
初夏を代表する白花
クチナシは、初夏になると立派な白い花を咲かせます。春のジンチョウゲ、秋のキンモクセイと並んで、花の姿と香りをともに楽しめる花木の代表です。
クチナシの匂いは、夏が近いことを感じさせてくれます。名前の由来には種々の説があるようですが、実が熟しても裂開しないので口無し、といわれたというのが一般です。
また、庭木として花の姿や、香り、緑を楽しむだけではなくて、クチナシの果実は、染料や食品の着色料としても重宝されているのです。
クチナシのいろいろ
日本には3種類、世界にはもっとある
コクチナシ
花径4~5㎝の一重の花です。全体的に小型の品種です。別名、ヒメクチナシとも言います。クチナシの変種で、葉が細長く、花はやや小さめです。
暑さ・病気・日陰・公害・刈り込みにとても強く、生垣などで好みの大きさに育てることができます。切り花にもよく利用されています。
ヤエクチナシ
八重咲きで、クチナシにくらべて少し大きめです。19世紀にクチナシが欧米に渡って、そこで改良された品種とだといわれています。結実しないので、実は利用できません。
濃厚な香りを放つ香ち、枝がよく分枝して、株立状になります。切花などによく用いられます。樹高は2m位になります。
ミナリクチナシ
クチナシの矮性品種です。鉢植えで販売されることが多く、花は小輪一重、結実するので、実が利用できます。
タヒチアンガーデニア
原産地は太平洋のソシエテ諸島で、日本ではほぼ見ることはありません。ハワイ諸島などでは普通に見られます。
ガーデニア・ブリグハニィ
ハワイ諸島の固有種です。これも、ハワイに行かなければ見ることはありません。
ガーデニア・スカブレラ
オーストラリアのクイーンズランド北部のクチナシで、白い花がとても綺麗です。オーストラリアの公園に植栽されています。
黄花クチナシ
つややかな黄色の花をつけるクチナシです。
ガーデニア・ヴォルケンシィ
アフリカ南部原産のクチナシです。花の色が白から淡い黄色に変化します。実はとても大きくソフトボール大になります。