排尿におけるトラブルの中でも最も頻度の多いのが夜間頻尿だと言われています。
40歳以上の男女では、約4500万人が夜間1回以上、排尿のために起きるそうです。
この夜間頻尿の症状は、加齢とともにますます頻度が高くなり、回数が増えると、生活にも支障がでるようになるわけです。
この記事では、頻尿の原因と対策のことを紹介しています。
原因をしっかりと調べて、正しい方法で対策をしないと大変なことになるんですね。
頻尿はトイレが近い症状、夜は夜間頻尿
もはや国民病とも言える病気
夜、寝ているときは、ふつう、尿意を感じることはなく、朝、日が昇って、ある程度睡眠が取れてから、起きたときにためてきた尿を出すのが正常ですね。
ところが、まだ睡眠中であるべきときに、排尿のために起きなければならない症状になると、大変です。これが夜間頻尿なんです。
ある調査では、昼間の頻尿で悩む人が日本に3300万人いるとわかりました。しかし、夜間頻尿はそれを上回る4500万人が悩んでいるのです。
さらに、高齢化にともなって、国民病レベルになっているという専門家もいるようです。
そんなわけで、夜間頻尿に昼間の頻尿、そして、尿漏れを加えると、40代以上の3人に1人、60代以上になると、3人に2人が悩んでいると言われています。
どれくらいなら夜間頻尿?
まずは自分でチェック
夜間頻尿の原因は様々です。それぞれの場合に適切な対処をすることが重要になるのです。
そのためには、今の頻尿の原因が明らかにならなければなりません。そのために、自分でできるチェックが、排尿日誌です。
朝起きてから翌日の朝まで、排尿した時刻と量を記録します。尿の量は目盛りが付いた計量カップを用意して、日記のように記録するわけです。
1回の排尿量と排尿回数がわかると、およその原因が推定できるようになります。排尿の回数が、尿意の異常によるものなのか、尿量が多いためなのかわかるのです。
もし、就寝後から朝までの尿量が多く、1回排尿量が正常だとすれば、夜間多尿という症状が夜間頻尿の原因だとわかるわけです。
夜間頻尿の原因
原因はいくつか考えられます。
1.多尿
夜間多尿といって、夜間の尿量が多くなることをいいます。朝の起床時の尿量も含めた夜間の尿量がなんと、1日総尿量の3分の1以上になってしまうのです。
1回の排尿量は正常なんですね。(150~200ml程度)。その原因としては、糖尿病などの内分泌疾患や水分の摂り過ぎなどがあるそうです
また、高血圧、うっ血性心不全、腎機能障害などの全身性疾患、睡眠時無呼吸症候群なども原因として考えられるものです。
2.膀胱容量の減少
少量の尿しか膀胱に貯められなくなるものです。過活動膀胱や前立腺炎、膀胱炎などで膀胱が過敏になるために起こるそうです。
過活動膀胱は膀胱に尿が少ししか溜まっていないのに膀胱が勝手に反応して収縮してしまうものです。
脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄の病気で膀胱をコントロールできなくなったり、前立腺肥大症によって排尿障害が起こり、膀胱が過敏になったりした場合です。
3.睡眠障害
これは、眠りが浅くてすぐ目が覚めてしまうことによって、目が覚めるたびに尿のことが気になってしまい、トイレに行くものです。
4.ふくらはぎのむくみ
最近注目されている原因です。ふくらはぎは、第二の心臓ともいわれていて、足を動かすことで下半身の血液を心臓へと戻しているそうです。
ところが、昼間にあまり足を動かさないために、ふくらはぎが刺激されず、下半身の血液が心臓に戻らないで、夕方以降にふくらはぎがむくんでしまうのです。
それが、夜中の睡眠中、心臓へ戻りだし、心臓が血液量が増えたととらえてしまい、血液量を正常化するホルモン、分泌するのです。
このホルモンが腎臓に働くことで、尿の量が増え、夜間頻尿の原因になると考えられているそうです。
夜間頻尿の対策
症状に応じた対策が効果的
まずは、基礎疾患の治療が重要になるようです。中には、水分を摂ると血液がサラサラになって、脳梗塞や心筋梗塞が予防できると信じてしまって、寝前にたくさん水を飲む人がいます。
これには、全く科学的根拠はないだけでなく、水分の摂りすぎで頻尿になっている場合が予想されるくらいです。
1.過活動膀胱
この場合は、膀胱の勝手な収縮を抑える薬剤である抗コリン薬やβ3作動薬といったものを服用するそうです。
2.睡眠障害
場合によっては、睡眠薬の内服も有効だそうですが、それよりも、よく眠れるような環境の整備や生活リズムの改善のほうが重要だといえるでしょう。
3.水分摂取過剰
この場合には、水分を控えるだけでも改善します。しかし、原因がはっきりしない場合は、原因のチェックから始めます。
4.ふくらはぎのむくみ
この症状の人の共通点は、ふくらはぎが冷えてしまい、むくんでいます。ふくらはぎを温めるだけで夜間頻尿が解消する可能性があります。
また、寝る2、3時間前には、ふくらはぎのむくみをとればいいのです。最も手軽な方法は、夕食後にふくらはぎマッサージをすることだそうです。