東北地方の、北上地方に伝わる、伝統料理、なめらかで、独特の喉越しで人気のあるひっつみは食べたことありますか。
実は、岩手県では老若男女へだてなく、身も心もあたためてくれる鍋料理として昔から、そして現在も親しまれているのです。
この記事では、ひっつみの別名や由来、誰でも美味しく楽しめるレシピを紹介しています。
できたら、本場の味を楽しみにいきたいものですね。
ひっつみの起源
岩手や青森の南部に伝わる料理
農林水産省が選定した「農山漁村の郷土料理百選」というものがあります。そこに選ばれたひとつで、主な地域は岩手県です。
小麦粉をこねて薄く伸ばしたものを手でちぎり、お鍋の中のだしで煮込みます。季節の野菜といっしょに食べます。
具やだしは季節や地域によっていろいろあるようです。川魚や川のカニ、鶏肉、きのこなどさまざまな具材があります。
ツルッとなめらかで喉越しがよく、かみごたえがあって、ゆでたひっつみにきな粉と砂糖をかけると、おやつになるそうです。
ひっつみの歴史
ひっつみの名の由来
ひっつみの名の由来は、「手で引きちぎる」事を、岩手県方言で「ひっつむ」と言うことから名付けられたそうです。
「ひっつみ」は、地域によっては「とってなげ」、「はっと」、「きりばっと」とも呼ばれています。
ひっつむの名の通り、手でちぎっては鍋に入れ、魚肉や野菜、山菜、きのこ、川ガニなど山海の幸と一緒にいただくんですね。
鍋に入れる時のそういった風景から、地域では「とってなげ」とも呼ばれるわけです。
ひっつみの作り方
ひっつみの調理のコツは?
岩手県の家庭では鶏肉や豚肉、海の幸などお好みの材料を入れるようです。鶏肉を入れる際は岩手県では南部どりを使うそうです。
南部どりは煮込んでも固くなりにくいので、ひっつみにぴったりだというわけです。
ひっつみの生地に色々練りこむのもまた、楽しみ方のひとつです。例えば、七味唐辛子やごま、カレー粉などを練り込みます。
さらに、ひっつみにきなこをまぶして黒蜜をかけると、ひっつみスイーツということになり、子どものおやつにもピッタリです。
ひっつみ作り方
<材料>
・小麦粉 300g
・水 200cc
・日本酒 大さじ2~3
・しょうゆ 大さじ3~4
・塩 小さじ1~1.5
・だし汁 8カップ
・鶏もも肉 1枚
・ごぼう 80g(約0.5本)
・人参 80g(約5cm)
・きのこ(舞茸,しめじ,生しいたけ等)適量
・長葱 1本
・みつ葉,せり等 適量
<作り方>
1.深めのボールに小麦粉と、水を入れて、耳たぶくらいの柔らかさにこねてまとめます。ぬれぶきんをかけて2時間位ねかせます。
2.鶏肉はぬれぶきんをしぼってきれいにふいて、一口大に切ります。
3.ごぼうは大きめのささがきにします。水にはなしたら、アクぬきします。
4.人参はたんざく切りにし、きのこはそれぞれ食べやすい大きさ、生しいたけは薄切りにします。長葱は斜め切り、みつ葉やせりは3~4cmの長さに切ります。
5.鍋にだし汁、ごぼうを入れて火にかけます。少し煮えたら人参と鶏肉を入れ一煮立ちさせて、アクをとり、日本酒と、醤油、塩で調味します。そこへきのこを入れます。
6.1の生地を左手に持ち、右手を水につけながら薄くのばして、食べやすい大きさにちぎって3の鍋に入れていきます。
7.ひっつみが煮えて浮きあがってきたら、長葱を加え、更にみつ葉やせりを入れます。