クチナシの実って?
実は、利用価値の高いクチナシの実
クチナシは、日本を含む東アジアに広く分布しており、特に日本では西日本において多く自生しているそうです。
花の香りは強く、そばを通るだけで香ってきます。しかし、花が終わった後にできる実には香りはありません。
クチナシは日本料理では欠かすことができないそうです。和食の料理人はクチナシの実の色素にいろいろお世話になっているわけです。
クチナシの実は茶色の皮をかぶっていますが、中を割ると中身は黄色の果肉が入っています。
この色素は手についたら取れないくらいの濃い黄色で、日本料理では、この色素を液体にとかし素材を色付けします。花は香り高いのですが実は無臭です。
天然色素として重宝
安心して使える既存添加物です
クチナシの実は、砕くと黄色い果肉が出てきます。これを使うと、食品を黄色く染めることができるので、日本では料理に昔から重宝してきたわけです。
クチナシの実は、木に付いているときは茶色の皮を被っているので、わかりませんが、中身は黄色の果肉があります。
その黄色の果肉は、食品を着色するだけでなく、他にも、染物、薬用にも使われているそうです。
着色料としてのクチナシ
クチナシ色素で使える色はとても豊富で、代表的なものでも黄色・赤色・青色の3色があるそうです。
赤や青の場合、表記にはクチナシ、またはクチナシ色素と書かれていてすぐにそれとわかるでしょう。
黄色の場合もクチナシ、クチナシ色素の表記以外にカロチノイド、カロテノイドといった表記も用いられ流ようです。
有名な使われ方
栗きんとん
栗きんとんは、黄色くて美味しそうな色をしています。しかし、実はあの色は、クチナシの果肉で色付けしたものだそうです。
たくあん
クチナシの実はたくあんの色付けにも使われています。
漢方薬としてのクチナシの効果
豊富な栄養も
クチナシの実は、食品や生薬、漢方薬などにも使われます。また、大分県ではクチナシの実を使った、「黄飯」と呼ばれる郷土料理があるそうです。
さまざまな効能がある
クロセチン
クチナシの実には血流を良くする効能があります。肩こりを和らげたり、さらに目にも良いと言われています。
さらに、血圧降下作用や抗炎症作用、鎮痛なども期待できます。これは、黄色の色味の元になっている、クロセチンによるものです。
クロセチンには抗酸化力があります。したがって、体内で発生した活性酸素を減少させることができるそうです。活性酸素は、人体に有害な物質です。
ゲニポサイド
血圧降下、鎮痛作用などの効果が期待できます。
マンニット
甘味成分です。
クチナシには漢方薬としての効果もあります。
・鎮静作用
・止血効果
・消炎作用
・抗菌作用
・解熱作用
・精神安定作用
・疲労回復
・利尿作用
・ストレス緩和
・コレステロールを下げる
・高血圧の予防
・高脂血症の予防
こういった症状に効果があるといわれています。
少量をたまに口にする程度なら危険性もそれほど高くないクチナシですが、薬として飲み続ける時は医師に相談する必要があると言われています。
クチナシ色素の副作用
ラットによる研究では、クチナシのゲニポロイドを摂取しつづけると、下痢や腸の出血が見られたと発表されています。
しかし、これは、1日に摂取するクチナシ色素をはるかに越えた量を与え続けた結果ですから、実際にはそれほどの危険性が存在するとは考えにくいそうです。
クチナシ色素の使われ方
日本では昔からクチナシの色素で食品に色付けをしてきました。クチナシから取れる色素は3色もあるので、様々な色を作り出すことができるのです。
また、やさしい自然な黄色が日本人には好まれていて、昔から黄色系の食品の色付けには欠かせない自然の着色料だったのです。
また、インスタントの中華麺の黄色や抹茶系の緑色を綺麗に出すために焼き菓子などの色付けにも使われているそうです。