ギブソンギターの誕生
趣味が高じて、会社設立へ
ギブソン・ギターコーポレーションは、創始者のオーヴィル・ヘンリー・ギブソン(1856-1918)が19世紀末に立ち上げた楽器工房から始まっています。
オーヴィル・ヘンリー・ギブソンが10平方メートルの楽器工房を開業したのは1896年でした。
そして、会社としてスタートしたのは、1902年だそうです。はじめの頃はバイオリンやマンドリン、クラシックギターの製造の会社でした。
そこから、現在に至るまでの100年以上、まさにギターのトップブランドとして君臨し続けてきたわけです。
ギブソンギターの歴史
音楽の歴史を作ったギブソン
1856年
オーヴィル・ヘンリー・ギブソンが誕生します。じつは、これよりも6年前にマーチンギターは「Xブレーシング」を発明しています。
1896年
楽器工房を開業を開業します。これは、趣味の延長のような物だったと言われています。
1902年
いよいよ、ギブソンギターの会社がスタートします。もちろんエレキギターは生まれていません。
1924年
アコースティック弦楽器用のコンデンサー型ピックアップを開発
1926年
フラットトップの製造
1936年
ピックアップを取付けたES-150やEH-150を発売
1937年
SJ-200(のちのJ-200)を発売
1942年
定番機種「J-45」がリリースされる
1941年
レスポールがソリッドボディエレクトリックギターの原型を作る
1952年
レスポールモデルが発表される。アーチトップのモデル他にはなかったのですが、当初はあまり売れ行きはよくなかったそうです。
1950年代末
エクスプローラー、フライングVを発表
1961年
SGが発表される
ギブソンのエレキギター
レス・ポールから始まった
1952年、ギブソン初のソリッド・ギターが誕生しました。レス・ポールの1952年型です。
ギブソン社がソリッド・ギターの制作に着手したときには、すでにフェンダーのブロードキャスターやテレキャスターが売れていたのです。
その頃はまだ、エレクトリック・ギターもフルアコースティックでアーチトップ・タイプのほうが主流としてみられていたのです。
当時のギブソン社の首脳も、伝統的なギター構造を無視したフェンダー・ギターになかばあきれつつも、ソリッドビターの市場への参入を決意したそうです。
それから1年あまりの期間をかけてソリッド・ギターを開発します。最初はメイプルで作られたが、後に、マホガニーにメイプルのトップというスタイルを確立します。
レスポールはフェンダーへの対抗意識から、ボディ・トップには豊かなアーチが削り出されたということです。
ギブソンのアコースティックギター

マーチンがライバル視
オーヴィル・ヘンリー・ギブソンはギターと木工が趣味だったそうです。そして、趣味でヴァイオリンやマンドリン、ギターを作って、演奏を楽しんでいたそうです。
この楽器が評判になって、売って欲しいといわれて、ギブソン氏は遂に独立して工房を開いたわけです。
彼は、曲げた木材にはストレスがかかっているから、削り出しの方が音響特性は優れているという信念を持ち、ボディを削り出す工法にこだわっていたといわれています。
ギブソンは1926年よりフラットトップの製造を開始しました。マーチンへの対抗と生産効率のよさからだといわれています。
1930年代に入って、人気を博していたマーチンのドレッドノートに対抗して、1934年からJ=ジャンボシリーズを生産しました。
そして、1937年にはSJ-200、のちのJ-200が作られ、キングオブ・フラットトップと呼ばれるほどの人気を得ます。エルヴィス・プレスリーが弾いていた物です。
J-45がリリースされたのは1942年です。J-45はなで肩のようなスタイルのためにラウンドショルダーと言われたそうです。
現在のギブソンのアコースティックギターの生産拠点は、モンタナ州ボーズマンのアコースティックギター専門工場だそうです。
ここでは約120名のスタッフがいて、一日80本のペースでアコースティックギターが手作りされているそうです。
現在のギブソンアコースティックギターのラインアップ
ラウンドショルダー(Jシリーズ)
「J(ジャンボ)」シリーズは、大型化により大音量化したマーチンの「ドレッドノート」に対抗する形で開発されました。
スーパージャンボ(SJシリーズ)
Jシリーズをさらに大型化させた「SJ-200」は、そのサイズと豊かな鳴りにより「キングオブ・フラットトップ」と呼ばれます。
スクエアショルダー(ハミングバードなど)
Jシリーズと同サイズで肩を張ったようなボディシェイプを、「スクエア(四角い)ショルダー」と呼びます。
「ハミングバード」はピックガードに描かれるハチドリ(Hummingbird)が目印のギターで、1960年にリリースされました。
ダヴ
ハミングバードと対をなすダヴは、ところどころに飛び交う鳩(Dove)のインレイが美しい高級機として限定生産されています。
「ソングライター」は、ギブソンが伝統に乗っかるだけのブランドではないことが分かる、モダンテイストのアコギです。
スモールボディ(Lシリーズ)
ドレッドノートが出る前のギターのサイズで1902年以来アーチトップモデルとして生産され1926年にフラットトップにモデルチェンジしました。