ヨーロッパでジャガイモが人気なわけ
三十年戦争が作り出したジャガイモ文化
食材として、ヨーロッパでは、ジャガイモの人気はかなりなものですが、特にドイツでの人気は抜群なようです。
ドイツ人はジャガイモが大好きで、ドイツの食文化を語る上でジャガイモは欠かす事はできません。
もちろん、ドイツのジャガイモの生産量と消費量は、世界でもトップクラスなんですね。
さて、このドイツでジャガイモの栽培がさかんになったのは、理由があります。そこにはそれなりの歴史があるんですね。
高校で世界史を習った人なら、知っているはずですが、あの三十年戦争です。1618年~1648年の30年の間、ドイツを中心に起こった宗教戦争です。
実は、この戦争でドイツは大きなダメージを負ってしまったんですね。この戦争の主な戦場となったドイツでは国土が荒廃してしまい、国家が分裂して、近代化も遅れたそうです。
なんせ三十年も戦争をしていたので、戦場となったドイツではたくさんの人びとが殺されました。そして農地も荒れ放題になっていってしまったんですね。
ドイツのほぼ全土が戦場となってしまいました。この戦争で、ドイツの農民たちは耕地を失います。その結果、生活はどん底になりました。
さて、ジャガイモですが、今まで「ジャガイモを食べると流行病にかかる」とか「聖書に書いてない」とか「病気が心配」とかいって、ジャガイモはあまり食べられていなかったんだそうです。
しかし、この一大事、生きるか死ぬかでギリギリの状況では、食べられる物はなんでも食べるしかないということになったのです。
そして、ドイツのフリードリヒ大王が、すべての地で、ジャガイモをつくろうと国民に呼びかけたのです。
この時のジャガイモ令がドイツでジャガイモが人気になった背景にあるといわれています。
意外と知らないドイツ料理
ドイツ料理について
ドイツ料理と言われて、何が頭に浮かびますか?ソーセージとビールという人が多いかもしれませんね。あとはハンバーグでしょうか?
ドイツ料理は、ヨーロッパの南部に位置する暖かいフランスやイタリアに比べて食料が不足しがちだったため、保存食が発達してきました。ソーセージやマリネ、ザワークラウトなどがその名残です。
また文化的にドイツでは朝食と夕食を簡単な物で済ませ、お昼ご飯にしっかりと時間をかけていました。シチューや肉料理などの温かい料理は1日に1回以下が普通なのです。
ジャガイモは、先ほど紹介したように、食糧不足に悩むドイツを救う救世主でした。そのため、ジャガイモを使用した料理がたくさん存在しています。
ドイツの女性は「ジャガイモのフルコースが料理できるようにならないとお嫁に行けない」とまで言われているほどです。