Androidの歴史はLinuxの誕生から
Linuxはカーネルのみの存在
Linuxが開発されたのは、1991年、フィンランドのヘルシンキ大学の大学院生だったLinus Torvaldsが自分がつくったOSを無償で公開したことから始まったのです。
Unixを参考にして、ゼロから書き起こしてつくったので、今も無料で手に入ります。ただ、一般的なOSと大きく違うのは、Linuxはカーネルしか持っていないという点だったのです。
カーネルは、ハードウエアを管理する部分で、プログラムの起動や終了、プログラム間のデータのやり取りといった部分をコントロールしているそうです。
この、Linuxの登場によって、莫大な開発費用をかけてカーネルを構築する必要がなくなったわけで、アプリケーションの開発速度が急激に速くなったというわけです。
Androidスマートフォンの急成長の理由
Androidの急成長
Androidのメリットは、なんといってもAndroid OSを搭載するスマートフォンを作る上でOSのライセンス料金がかからないことと、Googleサービスとの連携が確立しているところです。
メーカーは端末を制作するコストを安く抑えることができます。また、開発環境も無償で公開されており、一般の開発者が無料でアプリケーション作成ができるところもメリットです。
つまり、端末が作りやすく、アプリケーションも作りやすいことから、多くの企業や開発者が参入しやすいというわけです。
こうした環境を受けて、世界の多くのメーカーがAndroidスマートフォンに参入しました。それらは、幅広い国や消費者のニーズに対応していったということです。
その結果、登場からわずかな期間にも関わらず、AppleのiPhoneを抜き、出荷数では世界のトップシェアを手に入れたのです。
新興国などでは、高価格なハイエンドスマートフォンは広まらず、低価格なローエンドスマートフォンが中心で、そこには、ほとんどがAndroid OSを使っているのです。
LinuxのGPL+Apacheライセンス
自由な開発環境がシェアを拡大
Google社は、カーネル以外のAndroidプラットフォームのほとんどの部分を、Apacheライセンスという制度のもとで無償配布しました。
これは、Linuxカーネルに適用されるGPLに比べると、Apacheライセンスの方が商用化がしやすく、ベンダーやデベロッパたちがソースコードを自由に改変して、再配布できたのです。
さらに、Androidは、Java VMをベースにしています。Google社は独自にカスタムされたDalvik VMという名の仮想マシンを持っています。
デベロッパにとって、アプリケーションのプラットフォームとしてJavaが採用されたことから、Javaの豊富な資産の活用が可能になったわけです。
このことから、Java言語で開発されたすべてのAndroidアプリケーションは、このDalvik上で対等に動くことになったのです。