実は、派遣社員は派遣先企業の社員ではありません。
あくまでも派遣会社の社員なのです。
ということは、派遣先企業の社員の方からみると、派遣社員はお客様という認識になってしまうでしょう。
また、ずっと働き続けるわけではないので、教えてもどうせいなくなる、程度の認識を持たれている可能性もあります。
そういったことから、派遣社員の立場はとても不安定になってしまうわけです。
非正規社員の一種、派遣社員とは
正社員との違いや仕組み
もし、派遣業務が中心で、その部署が派遣だけで成り立っているような場合は、とても気分が楽で、働きやすいかもしれません。
それ以外の職場では、派遣先の人が派遣の人を対等な立場で見てくれる可能性は低いです。場合によっては、派遣社員というものを下に見たり、同じ仲間と見て接してくれないことだってあるのです。
派遣の仕事に魅力はあるのか
派遣社員のメリットとは
サービス残業がない
多くの人の頭の中にはきっと、学校を卒業したら、正社員として就職すべきだという固定観念があるでしょう。
ただ、正社員になると、その会社にどっぷり浸かってしまいます。それ以外の生活は許されないということになります。
派遣であれば残業を断りやすく、長時間労働もしなくても済みます。休みも取りやすいのですね。要するに、縛られたくない人にとっては、メリットがあると言えるでしょう。
時給が結構いい
アルバイトと比べても、圧倒的に時給はいいものです。それなりにやりがいもあって、バランスがいいと思う人も多いようです。
仕事に対するモチベーションがないのなら、この仕事で1600円もらえたら、ありがたい、と思えるような人は向いていると言えるでしょう。
定時になったら帰れる
派遣は残業という概念から解き放たれて、定時になったら帰るという労働者なら普通のことを実現できるのです。
会社の中には、残業する人=仕事できる人、のような文化がある場合もあります。
仕事とプライベートを分けられる
正社員になると、プライベート時間に仕事を持って帰ってする、なんていうことが普通だったりします。また、有給は取りたくても、仕事が溜まっていて、有給が取れないということもあたりまえです。
派遣のデメリットとは
これをデメリットと捉えるかどうかは本人次第かも
責任ある仕事が少ない
基本的に責任ある仕事は派遣社員に任せられることはないでしょう。単調な誰でもできる仕事を任されることがほとんどで、やりがいは生まれにくいものです。
逆に、責任が軽く、マネジメントやリーダーシップを要求されることを重荷に思う人にとっては派遣が向いていると言えるでしょう。
ボーナスが出ない
派遣の給与は派遣会社から支払われています。したがって、ボーナスが支払われることは基本的にありません。
考え方ですが、派遣社員の給与が高いのは、仕事としての対価が高いということかもしれないのです。したがって、ボーナスという存在そのものが派遣とは合わない、と考えるべきです。
契約を切られる
派遣の契約は主に3ヶ月毎になっています。その最長の更新が抵触日で3年目です。
言い換えると、更新の度に評価されますから、常に新鮮な気持ちで緊張感を保てるということにもなるのです。
また、近年、法改正がかなり整備されて、よほどの事情でない限り、労働者保護の観点から勝手に労働の契約を打ち切ることはできなくなっています。
さらに、派遣会社も派遣先の選定・与信調査に力を入れ、派遣切りが起こるような危険な派遣先は契約をしない傾向になっているようです。
有給休暇が取りにくい
派遣社員の有給取得は事前申告に限るという規則を作っている派遣会社は少なくないようです。
急病などでは有給扱いにできないのです。これは、有給分も派遣先が負担することになるため、実働ではない緊急の場合を派遣先に負担させにくいことからです。
派遣会社の当たり外れがある
派遣社員として、満足したいなら、派遣会社選びを慎重にすべきです。なぜなら、派遣社員を雇用しているのは派遣会社だからです。
派遣会社が怠慢だと、給料が支払われなかったり、福利厚生もひどく、派遣先に媚を売っているのではないかとということも起こります。
実際の派遣の事業所は全国に85,000所ほどあるそうです。これは、コンビニよりも多いのですね。酷い場合は、昨日まで存在していた派遣会社が次の日には潰れていた、逃げられた、そんな話も実際にあります。