年末になると、知った方から喪中のはがきが届いたりします。
それが、昔から知った人であったりすると、すごく心が痛んだりするものです。
さて、その喪中のはがきが来てから、さて、いつも出している年賀状、今年はどうしたらいいんだろう、と迷うことがありますね。
この対応は、だいたい3段階くらいあって、親しさ、社会的立場、などで考えたらいいみたいですよ。
正しいやり方があるわけではない
相手の方とのつきあいの程度で決まるもの
1.相手が喪中でも送る
一般的なマナーの本などを読むと、喪中の側から新年の挨拶として年賀状は出せませんが、受け取るのは問題ないと書いておりますね。
要するに、喪中はがきは「欠礼」の案内であって、喪中の側から新年のあいさつはできませんという連絡なんですね。
もし、逆の方から年賀状を出さないと、やりとりが一年空いてしまうことになり、そのことへの気遣いも考える必要がありそうです。
2.相手を考えて出すか決める
これは、相手とのふだんのつきあいで考えた方がいいよ、という話です。年賀状のやりたりだけのおつきあいなら、逆に途切れることを考えます。
しかし、ふだんからおつきあいがある場合は、無理して年賀状を出すと、それで気まずくなるのもあり得るので、口頭で年賀状はやめとくね、とか言えば済む話です。
3.年賀状でなく寒中見舞いを出す
これは、手堅く生きるというか、年賀状を重要視している人が思うことです。確かに、年賀状が許されるとしても、受け取る方はどうか。
そう考えたときに、最初から寒中見舞いにして、ことをおさめておこうという配慮です。いろんな人がいるのだ、という前提での対応で、本当に手堅いですね。
喪中はがきはこんなときに出す
マナーであって、決まりではない
喪中はがきの目的は「今年は喪中なので、新年の挨拶はできませんので申訳ありません」という連絡が本質です。
そう伝えて、年賀状を控えることになるのです。これを「喪中欠礼」と呼びます。
逆に、喪中に年賀状を受けとることはマナー違反ではないということもまず知っておいた方がいいでしょう。
要するに「喪中の期間のお正月に新年を喜ぶ挨拶を控える」という意味の挨拶状が喪中はがきなので、喪中に年賀状を受け取ること自体には何の問題もないわけです。
世の中にはいろいろな人がいる
しかし、全ての人がそのことを、客観的に理解して、心から納得しているかどうかはわかりません。
なかには、「喪中って知っててこんなことをする人」と感じる人もいるかもしれません。
個人個人には受け止め方の違いがあります。だから配慮をした方が、お互い気持よく付き合っていけるのでは、と思うわけです。
究極の対応は「寒中見舞い」
寒中見舞いの出し方
寒中見舞いには様々な用途があるそうです。
その中に、喪中の方で年賀状を交換できなかった方へ、年始の挨拶をする、というのも含まれています。
寒中見舞いそのものは、まず出すことはないと思いますが、うまく使えば、ちょっとした気遣いがうまく伝わるのではないかと思います。
何かうまく気持ちが伝わらないな、と感じたときに、利用するのも手かも知れませんね。
喪に服するとは
近親者が亡くなった場合に、 古くは、門戸を閉じ、酒肉を断ち、弔せず、賀せず、音曲をなさず、嫁とりをせず、財を分かたずといったようなしきたりがありました。
これらは暮らしの中に 息づいて、それが今日まで、部分的に受け継がれているというわけです。
現在でも、特に忌服期間中は、故人の冥福を祈って、行動を慎みます。
晴れがましいこと、派手な行動は慎みます。正月の飾り物や正月料理、お屠蘇といったお祝いはしないことになっているようです。
さらに、年始まわりや神社、仏閣への初詣も控えるというのが一般的だそうです。
そもそも喪中の意味
喪中とは、故人の死に追悼の意を示すことから来ています。そこで、自らの行動を慎むための期間のことを言います。
昔から根付いてきたしきたり出会って、現代まで受け継がれている風習ということになります。
奈良時代に喪中に関する法律が制定された
古くは奈良時代の法律まで遡れるようです。この時期にはすでに喪中に関する規定が記されていたといわれます。
過去の時代には、喪中は深刻な問題で、喪中の期間に関するルールも法律に定められていたくらいです。
現代人が考えるような常識といったものではなく、強制力のある社会のルールであったようです。
江戸時代の半ばには、江戸幕府が武家社会向けに「服忌令」という法律を定めています。
明治時代に、近親者の喪に服す期間について、明治7年に太政官布告という法令によって詳細に定められました。
この法令は昭和22年には撤廃されていますが、現在でもこの法令によって定められていた期間が喪に服す目安になっているようです。
神社への参拝は避ける
神社には喪に服している方が入ることが許されないということになっているそうです。
神道では人や動物の死を穢れとしています。このことからお葬式などを神社では行いません。
そのため、故人の死を悼むための期間である喪中には、神社へ足を踏み入れたり参拝したりすることが禁じられているというわけです。