温暖化問題によって、脱炭素はもう避けることのできない世界の潮流です。
それを後押しするのが、世界の太陽光発電を取り巻く状況です。
また、中国はこれがビジネスチャンスとみて、一気にインフラ整備にお金をつぎ込んでいます。
それによって、太陽光パネルの価格は、一気に下落し、もはや、日本の出番は残されていないような状況なのです。
いいことばかりではない太陽光発電の未来
世界の潮流に乗り遅れた日本
太陽光発電は、技術的なハードルが低い製品のため、製品に差別的な価値を付けることもできないので、日本のトップメーカーも今後の事業拡大は避ける可能性が大きいのです。
さらに、日本は電力業界が寡占化によって事業をコントロールしてくるので、経済性が見込めないとなったら、中小のメーカーは撤退せざるを得ないでしょう。
かといって、世界の潮流は、再生可能エネルギーへと大きくシフトして、後戻りはできないと考えられます。
日本国内で、利益の取り合いをしている間に、もはや取り返せないほど状況は進んでいくことになるかも知れません。
今考えられるメリット
いつまで続くかわからない太陽光発電のメリット
1.電気代が安くなる
発電した電気を自宅で使うため電気代が安くなるわけですね。毎月の電気代が1万円程度なら、年間2万円程、節約できるそうです。
2.電気を売れる
売電によって、自宅で使って余った電気を電力会社に売ることができます。その収入は、一般的な4kWの太陽光発電で年間12万円程度の売電収入になるそうです。
また、電気代の節約と、売電によって、パネル設置代金を回収できます。設置費用が130万円としても7年ほどで費用を償還できる計算になるそうです。
3.環境貢献・社会貢献
もともと太陽光発電が普及したのは、地球温暖化防止と輸入エネルギーの依存を減らすためです。現在日本のエネルギー自給率はたったの4%です。
4.寿命が長く故障しない
機器が傷んだり機能が低下すれば、修理代や交換費用が高くつきますが、実際は品質低下もほとんどなく、パネルの傷みや故障もほとんどないそうです。
デメリットにも目を向ける必要がある
太陽光発電の課題とは
1.発電コストの高さ
最近、急激な技術進歩で太陽光発電の導入コストは下がりつつあります。しかし、さらなる普及のためには、コストをさらに下げる必要があります。
2.建設用地の問題
大規模発電のためには広大な用地が必要ですが、耕作放棄地の問題は未だ未解決です。
3.投資効果が思ったほど出ない
設置費用が不当に高くなったりすると、投資効果が思うように出ません。また、悪徳業者に騙されてしまっては元も子もありません。
4.工事がずさん
過剰な安売りのために、人件費削減を行い、工事がずさんになっている例があります。
雨漏りが起こって、改修を依頼したときには、会社がないということが多いのです。
5.業者の倒産
会社が倒産してしまうとアフターサービスが受けられません。やはり、きちんとした業者かどうかがリスクの大小を決めることになるでしょう。
まさかの事態が起こる
地域によって売電中止
一部地域で、太陽光発電の買取中断されたそうです。これは、今後の買取をしないということみたいですね。
東北電力は50kW以上、北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力は10kW以上、沖縄電力はすべてを中断対象にするそうです。
現在中断をしていない電力会社は東京電力、中部電力、北陸電力です。しかし、一度申し込まれた売電取引は電力会社の買取義務があるそうです。
売電する側の不安が増す
初期費用が何年で回収できるかと採算を考えて市場参入しているわけですから、売電できるかわからないという状況は不安です。
また企業は、売電できない状況になると、大きな損失を被るので、経営が困難になる可能性があります。
電力会社側の立場
電力会社は消費者によって使われる電力量と生産する電力量が同じになるように調整して運営しているんです。
しかし、太陽光発電の発電量というのは、季節や天候によって変化します。そのため、太陽光発電の電力を扱うと、電力の安定供給が達成できません。
それを防ぐために、今後は売電価格の調節がしやすい、出力制御対応機器が付いていることを重要視することになると言われています。