『老害』・・・
聞いただけで、愕然とするような言葉が広まっています。
年を取ること、高齢者が増えることが「害」だといわれたら、何か、腑に落ちないものを感じたりしませんか。
しかし、この言葉が出ることは、社会の特徴とも言えるのです。
これからも世の中は変化し続け、超高齢化社会の中で問題は複雑になっていくのかもしれません。
老害の意味
老害という言葉が出来上がる社会とは?
老害という言葉が、いろいろなところで使われているのは、いうまでもありません。日本が直面している、超高齢化社会という問題があるからです。
年を取って、問題行動が起こる人は、いくらかの割合で出現します。したがって、高齢者の数が増え、平均寿命が高くなれば当然、問題行動も増えるわけです。
老害の特徴
年を取ることで起こる可能性も増える問題
1.話が回りくどくなる
人間が加齢することによって、性格も変化する場合があります。丸く穏やかになる人もいれば、頑固になる人もいるわけです。
話が回りくどくなり、何かと説教するのは、後者だといえるでしょう。
2.短気になる
ちょっとしたことですぐにイライラして、周囲に当たり散らしたり怒鳴ったりしていまいます。
文句を言えるところに出会えば、やたらと長くなってしまうのです。自分が他人に迷惑をかけていると言うことには気付かないのが特徴です。
3.人を見下す
周囲に対して横柄な態度で、人を小馬鹿にしたりするわけです。いくら周りから疎まれようと、決して態度を改めません。
4.間違いを認めない
自分の間違いや過ちを決して認めようとしません。周りが間違いを正そうと責めれば責めるほど頑なになります。頑として謝罪をしないこともあります。
5.衰えを認めない
老いを自覚して、自ら免許証を返納する高齢者いる半面、いくら家族が説得しても、かたくなに返納しない人も多いとか。
さらに、高齢になるほど、安全運転に自信があると答える人の割合が増えるといわれています。自分はちゃんとできるという根拠のない自信を否定されると立腹したりします。
6.人の意見に耳を傾けない
根拠のない自信があるので、自分の人生観や考え方も正しいと信じています。それを人に対して、「こうすべきだ」「こうしなければならない」と、押し付けるのです。
7.自説を変えない
自分の人生に自信があり、その人生に裏打ちされた自説に絶対の自信があるので、自分と違う意見はけっして認めようとはしないのです。
8.古い価値観にこだわる
古い価値観に固執し、特に、男女問題や貧富の問題、には、偏ったまま、それを人に押しつけようとするのです。
たとえば、「結婚して子供を産み育てるのが人の道」とか「女性は家で子育てに専念すべき」とか、「家庭を持って初めて一人前の男性」という人生観を押し付けます。
老害の対処法
老害にたじろぐ事なかれ
1.はっきりと意見する
自分より年下の人間たちに、偉そうに振る舞うのは、それがあたりまえの育ち方をしているからです。
若者が年長者に何も言わないのをいいことに、偉そうなにするわけで、怖がらずに言うべきことを言うことも大切です。
2.基本的に無視
はっきり言わなければ、どうにも進展がない場合は仕方ありませんが、ふつうは、笑顔で流したり、無視をするほうが得策かも知れません。
3.老害から離れて動く
既存の事業やビジネスの世界では、年功序列的な構造があります。したがって、時代の先端の事業などでは、そういった構造がないわけです。
4.ペースに巻き込まれない
高齢者のペースに巻き込まれない様にする事で、老害から身を守ることができます。適当に高齢者の話しに合わせているだけではうまくいきません。
5.必要以上に関わらない
高齢者が何か言っていても、話しかけられても、必要以上に関わらない事も大切です。聞いてくれるから、聞こうとするから、図に乗ってくると言うわけです。
自分が老害といわれないようにするために
老害を理解して、対策を練る
人は、いつか歳を取ります。自分が50代、60代となったときに、自分自身が老害になってしまうこともあり得ると考えて、ふだんから対策を練ることです。
・コミュニケーションを大切にし、特に年齢や立場の違う人とも積極的に関わる。
・過去にこだわらず、新しいこと、知らなかったことに挑戦する。
・過去の実績や経験にしばられず、今の自分にできることを探す。
・自分中心にならず、自分を客観的に見つめる機会を作る。
まだ若いから自分には関係ない、と思いがちですが、多くの老害を引き起こす高齢者は、自分の老いを客観視できないわけです。
このようなことを常々意識しながら生活するうちに、体だけでなく心も健康な老いを迎えることができるのではないでしょうか。