ダッフルコートといえば、最近では様々なカラーや性別関係なく冬の防寒着として愛されているフード付きのコートです。
膝下ほどになる長いものから、腰回りあたりのハーフタイプの物まで、丈の長さなどは様々ですが、見た目もカジュアルだけど、あまり着崩した感じはなく、どの世代にも好まれやすい形です。
特に学生がよく着ているイメージはありますよね。ボタンも通常のコートとは違ったデザインであったりで、特徴的なコートと言えます。
しかし、このダッフルコート、いつ頃から着用されるようになったのでしょうか?実は、思っていた以上に長い歴史があったのです!
ダッフルコートはどこの国から?
いつ生まれたのか?また「ダッフル」とは?
ダッフルコートが生まれたとされるのは1820年代頃だそうです。今から約200年近く前にすでにあったのですね。
今でも愛されるデザインだから、戦後辺りの生まれなのかと思っていましたが、まさかの100年以上前のデザインだったとは驚きです。
ではダッフルコートの「ダッフル」とは何なのでしょうか?このダッフルは地名だそうです。
ベルギーには「デュフェル」という名前の街がありました。このデュフェルは織物産業が盛んにおこなわれており、この地で作られた厚手のウールで作られたメルトン生地を使用して作られたのがダッフルコートになるそうです。
この生地は、防寒性に長けているため、コートとして愛され続けているのですね。
しかし、デュフェルとダッフル、全然違うじゃないか!と思いますよね。「デュフェル」は英語に訳すと「ダッフル」と発音するそうです。そこから結びついた名前になるようです。
実は仕事着だった!?
防寒性や水に対しての強さから
可愛らしいデザインで愛され続けているダッフルコートですが、実は、誕生した当初は仕事着として活躍していたそうです。
優れた防寒性と水に対しての強度から、ダッフルコートは漁師たちの体の温度を守る役目をしていたそうです。
その漁師たちが使いやすいとするのがダッフルコートの特徴の一つである「トグルボタン」ともいわれているそうです。
トグルボタンは普通のボタンの代わりに木の棒などを使用したもの。ダッフルコートの前部分は基本的に普通のボタンではないですよね。
綱と木のようなデザインの物ですよね。あれがトグルボタンです。またトグルボタンの「トグル」は元々船の綱をつなぎとめる「留め木」からきているそうです。
あのボタンであれば、漁師には欠かせない手袋をつけたままでもボタンがかけやすいという利点があるのです。
こういった点から漁師に愛されていたダッフルコートですが他にも愛される場所が出てくるのです。
水などに対して強いダッフルコートは漁師だけではなく、海軍にも広がっていったそうです。特にイギリス海軍ではよく用いられていたようです。
イギリスの将軍「モントゴメリー」が着用していたのが有名だそうです。その為、「モンティーコート」と呼ばれることもあるそうです。
ネットでも「モンティーコート」で検索するとダッフルコートが出てきますよ。
こうしてダッフルコートは様々な人に広まっていき、1950年から60年頃には学生を中心にも広がっていき、人気度がUPしたそうです。
こうして海を越えてアメリカなどにも広がっていき、世界規模で知られるようになったそうです。仕事着というイメージがここから徐々になくなっていったのかもしれませんね。
今でも冬に活躍
いつまでも愛されるデザインと機能性
最初は仕事着や作業着として扱われていたダッフルコート。今ではおしゃれさも兼ね備えており、真冬の寒さから身を守ってくれます。
漁師から海軍へそして世間へ広まっていったその間に様々な人を寒さから守り続けてくれているダッフルコートは、今後も末永く愛され続ける存在になりそうですね。