振袖姿を町中で見られるとすると、今ではやはり成人式になりますよね。
1月の寒い時期ですが、あの色とりどりの鮮やかな振袖の女性たちを見ると心に春が訪れたような「わぁっ!」という気持ちになれます。
この記事では、振袖の名前の由来と歴史、留袖との違いについて紹介しています。
昨今は和服を着ることも滅多にないので、なかなか由来についても考えることがありませんね。
艶やかな振袖姿は日本人女性ならでは
美しさ、可愛さを演出できる振袖人気は衰えない
振袖は着る機会が短いです。
一般的には振袖は「未婚女性のもの」とされているため、本当に着られる期間というのは限られてきます。
それにタイミングも成人式や、結婚式など。折角なら長年着たいと思っていてもそれも難しい・・・
何故振袖は未婚女性のものとされているのでしょうか。既婚の女性は若くても着てはダメなのでしょうか?また、成人式、結婚式などに何故振袖なのでしょうか?
振袖の意味合い
この先の人生に幸あれ・・・
まず成人式に何故振袖を着るのかという疑問からです。勿論、成人式は振袖という法律があるわけでもなく、スーツでの参加も構いません。
しかし、世の中を見ていると、成人式ではレンタルをしてまでも振袖を着ていますよね。確かに、新成人の女性というと振袖というイメージがあるというのもわかりますが、この風習は割と昔からですよね。
何故そのような長い間、成人式=振袖というイメージが廃らなかったのでしょうか?実はあの、振袖ならではの長い袖に意味があったのです。
「振袖の袖を振る」という仕草には「厄払い」、「清めの儀式」などに通ずるようなものが有り、結婚式や成人式などに着るというのは、「人生の門出において、身を清める」という意味が込められているそうです。
身を清めることによりこの先々の病気やケガなどの災いなどから身を護る、そんな意味を含んでいそうですね。
どうして未婚の女性だけのものなのか
振袖は未婚女性の正装
美しい振袖、未婚女性だけとされていますが、若い既婚女性だって着たいですよね。実は先ほど触れた身を清めるという意味合いだけではなくて、恋愛の意味合いも隠されていたとされているようです。
諸説ありますが、振袖の長い袖が女性の意思表示に使用されていたとされているそうです。江戸時代初期の頃まで遡ります。
その頃の踊り子たちは「袖を振る」ことは「愛情表現」としていたそうです。また、「袖にすがる」というのは「哀れみを請う表現」とされていたそうです。
この仕草が一般の未婚女性にも浸透、広がっていったそうです。その為、男性から好意を示された時、「自分も同じ想いだ、あなたに好意があります」といったときは「袂を左右に振る」、逆に「あなたとはごめんなさいね」といった拒否の際は「袂を前後に振る」という風に相手に自分の気持ちを表現していたそうです。
江戸時代では女性から想いを口で伝えるのはあまりよく見られなかった為、こういった行為で相手に想いを伝えていたと言われているそうです。
今でも恋愛の話などで「相手に振られた!」または「相手を振った!」などと表現しますよね。実は、この「振り」、「振られ」は振袖の説からきているとされているそうです。
そういった意味合いが振袖にはあるので一生を誓った相手がいて、身が固まっているので「袖を振る必要がない」とされていたため、既婚女性は袖の丈を短くした「留袖」とされているようです。
着られないわけではないですが、結婚しているのにほかの男性にアピール出来るような状態というのはあまり相応しくない感じがしますよね。
そういった点でも既婚女性の振袖姿というのは違和感を覚えることがあるのでしょう。
少ししか着る機会がない振袖
本当にもったいない
せっかくの綺麗な着物、着ないのはもったいないような気もします。こういった風習や機会が少ないなどの理由で振袖が着られる期間というのは本当に短いです。
しかし、短くても折角着られる時期があるのだから、振袖を楽しむのもいいかもしれませんね。今では様々な色、柄が多く、選ぶのも大変でしょうが、見ていて楽しいものでもあります。
成人式だけではなくお正月の初詣などで利用して、日本の女性ならではの楽しみ方を振袖で感じてみてはどうでしょうか。