メッキとカタカナで書くことが一般的となっていますが、実は、これはれっきとした日本語なんです。
漢字で書けば、正式に「鍍金」と書くのです。
このメッキは、物体の表面に金属の薄い膜を張る技術です。
色の違いで金メッキや銀メッキという表現をすることが多いですね。
この記事では、メッキの歴史、種類、効果を紹介しています。
メッキ加工の目的
メッキのついての基礎知識
メッキの歴史は古く、約3500年以上前に、メッキの技術が存在していたようです。当時は、お寺の建立に際して、金メッキの技術が使われていました。
現在では、スマートフォンやパソコンの部品、自動車、ドアノブ、楽器、アクセサリー、食器など幅広い製品に使用されています。
メッキの種類
いろいろなメッキ
メッキに使用される金属は、金や銀の他にも多数存在しています。
銅メッキは、そのコストの安さから下地のメッキとして使用されています。
すずのメッキは、人体への影響が少ないため、缶詰や食器などに使用されています。
クロムメッキは、硬度が高く、摩耗性が高いのが特徴です。そのため、動きのある機械部品などに使用されています。ゴルフグラブにも使用されています。
ニッケルは、その配合の比率で性質が変わる特性があります。手軽に特性をコントロールできるため、ハードディスクを作るのに使用されています。
亜鉛メッキは、コストが安いため、防錆効果を期待して使用されます。主に鉄の防錆目的に使用されています。
メッキ加工の方法
メッキ加工の種類
メッキ加工の種類には、大きく分けると湿式メッキ加工と乾式メッキ加工の2種類があります。
湿式メッキ
湿式メッキ加工は、溶解したベースメッキの中に物体を浸すやり方です。
湿式メッキ加工の中には、電解メッキと無電解メッキ、溶融メッキの3種類があります。
乾式メッキ
それに対して、乾式メッキ加工は、真空状態の中で熱やプラズマの力を使用して、気化させた金属を付着させる技術です。
乾式メッキ加工の中には、物理蒸着法と化学蒸着法の2種類があります。
メッキの効果
メッキ加工をする理由
メッキには、様々な効果があります。
見た目を良くする
まず挙げられるのが、見た目を良くするということです。優勝トロフィーの輝きなどに目を奪われた人も少なくないでしょう。トロフィーにもメッキが施されています。
錆を防ぐ
他には、錆を防ぐ効果があります。鉄などの錆びやすい金属は、メッキを施すことで錆に強くなり、長持ちするようになります。
性能を上げる
スマートフォンやパソコン、薄型テレビなどの電気製品の部品として使用されているものにもメッキが使用されています。
これらは、電気の流れを加減したり、磁気をコントロールしたりする目的で使用されています。また硬度を高めたり、摩耗性能を高めたりすることで、物理的特性もコントロールすることができます。
抗菌作用
メッキには、抗菌作用の効果もあります。食器やドアノブなどに施されるメッキには、抗菌効果があるものを使用します。
このように、メッキの技術は、我々の生活に深くかかわっているのです。