芸能人や著名人などでくも膜下出血という疾患を発症されたという話を聞いたことがありますね。
また、身の回りの方で発症された方が見えて大変だったなど、割と知名度が高いと思えるこの、脳の疾患です。
実は、突然襲ってくる上に発症したら一刻も早く治療しなければならないほどの恐ろしい疾患なのです。
さらに、再発の恐怖は半端じゃないのがこの病気です。
この記事では、くも膜下出血の
くも膜下出血、要するに脳内出血、脳内で起こる場所が病名の疾患
本当に、それは突然やってくる
まず、くも膜下出血が起こる場所は、脳内というのはご存知かと思います。脳内でもクモ膜下腔と呼ばれる脳脊髄で満たされている脳の表面の空間があります。
そこの血管の破裂から、出血が起きると発症します。その出血が起きる原因は、脳動脈瘤と言われる脳にできたコブからの出血です。
くも膜下出血の患者の約80~90%がこの脳動脈瘤が原因で、発症してしまっていると言われています。
脳動脈瘤の早期発見が一番だと思うのですが、厄介なのが脳動脈瘤からの出血があるまで「ほとんど無症状である」と言われています。
脳動脈瘤が大きくなる際に脳、神経などの働きに影響が出るという事あったり、割と強めの頭痛や頭痛からの吐き気などが持続してもそのまま経過してしまうなど、実際にくも膜下出血に発展するまで気が付かないなどが多いと言われています。
脳動脈瘤を早期発見するには、MRI検査が有効であり、脳ドックで見つけることが可能と言われています。
突然殴られたような痛み!くも膜下出血の具体的な症状
訳も分からない激痛が脳を走る
クモ膜下出血の症状として挙げられるのが「突然の激痛」、「意識障害」、「吐き気や嘔吐」などと言われています。
特に突然の激痛は具体的には「野球のバットで殴られたような痛み」、「金槌や鈍器で殴られたような痛み」などと表現されることが多いそうです。
そして、実際発症した場合、とにかく迅速に適切な治療を行うことが一番とされています。しかし、手術が無事成功したからと言って安心とは言えないのがこの疾患の恐ろしいところでもあります。
発症後、手術による対応が完了、24時間以内に再破裂による出血の危険度が一番増します。24時間以内の再出血は約80%ともいわれています。
その一つの山場を越えると、くも膜下出血発症後の約4~14日の間に「脳血管攣縮」という症状が約3割以上の確率で起きると言われています。
脳血管攣縮は予防薬がありますが、問題なのが未だに発症原因が解明されておらず、決定的な治療方法が見つかっていません。
脳血管攣縮の山場を越えると次に待ち受けるのが水頭症などの恐れです。水頭症は脳の中の脳脊髄液の循環が出血で邪魔をされ、脳内に溜まってしまうのです。
これは治療方法が確立されていて、患者さんの状況に合わせた手術を行います。主に腹腔内又は心臓に導く管を入れる手術などで対応していきます。
こういった理由からくも膜下出血発症後、2週間から3週間は危険な状態が続きます。また、この期間に再出血を起こしてしまう確率は全体で約30%ととも考えられているのです。この場合はまだ、治療が可能な状態の時です。
実はくも膜下出血は、病院に運ばれた際にすでに昏睡状態などで意識レベルが相当低い場合などに陥っていると、手術ができない確率が高く、医師でも処置が行えないのです。
発症してしまってもどうにか元の生活に戻りたい
現実が見せるのは本当に厳しい数字
くも膜下出血は本当に恐ろしい疾患で、一度発症すると常に致死率という言葉が付いて回るようになってしまいます。
しかし、絶対に元の生活に戻れないとは言えず、くも膜下出血を発症された患者さんで、後遺症がなく元の仕事などに戻ることができた、または社会復帰ができている方も見えます。
しかし、その数は残念ながら少なく、復帰ができた方はおよそ30%以下と言われています。
また、後遺症が残ってしまった方は約20%となっています。
くも膜下出血を発症し、初期出血での死亡または昏睡状態などの理由で治療が不可能と診断されるのが併せて約50%、発症後一か月以内での死亡が約50%とされているそうです。
また再出血を起こすと約50%、再々出血を起こすと約80%の高い致死率と言われています。くも膜下出血はどんな人でも起きる可能性はありますがやはり、年を重ねられた方に多く見られるともいわれます。
先述もしましたが、くも膜下出血の原因である、脳動脈瘤を早期発見するにはMRI検査が必要です。また脳ドックは40歳を超えると意識するといいと言われています。
このような恐ろしい疾患を招く前に、事前に自分の体のメンテナンスとして脳ドックや健康診断などを心掛けていきたいですね。