痛風の痛みといっても、経験したことのない人にとっては、想像の域をでません。
経験者の話では、想像を超えるもので、「息ができないほどの激しい痛み」だと言うことです。
実は、この痛風発作の原因は、体の防御システムが働くためです。
血液の中にある尿酸が結晶化して、その結晶を異物と認識してしまい、排除しようとする働きが痛みの原因なんですね。
この記事では痛風の原因と症状、尿酸値を下げる方法、治療と食事の取り方を紹介しています。
痛風の原因は?
恐ろしく痛い、痛風
よくあるのが、脚の親指の付け根にある関節の部分で、赤く腫れ上がって激痛を伴います。他に、脚の甲、足首、手首、膝などに症状が出ることもあるそうです。
この痛風発作は突然起こることが多く、急性痛風関節炎と呼ばれます。発作は夜間に起こりやすく、強い痛みを生じると、2~3時間後には患部が赤く腫れ上がります。
その後も痛みと腫れは強まっていき、発作が始まってから、24時間以内にピークを迎えると言われています。
しかし、その後、7~10日経つと、何事もなかったかのように症状は治まってしまいます。この無症状で経過する時期を間欠期と呼びます。高尿酸血症が解決されないと、2度目の発作が起こることになります。
痛風発作の原因は尿酸
尿酸はどんな人のからだの中にも一定量存在します。これは、血液などに溶けています。それが、身体中を循環して、尿として濾し取られたり、一部は、消化管から排泄されるそうです。
この血液中の尿酸の濃度が上昇してしまって溶けきれなくなると、尿酸塩の結晶を作ってしまうのです。その尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着するのです。
痛風発作は、尿酸塩に対してからだの防御機構が働いている状態だそうです。白血球が反応し、攻撃する時に痛みが起こるというわけです。
尿酸塩が関節に溜まると痛風発作ですが、他の臓器にも尿酸塩は溜まっています。その中でも皮下にたまりやすく、皮膚の下に結節ができることになります。これが痛風結節です。
痛風結節は、時には、脊髄にたまって、神経症状の原因になる事もあるそうです。腎臓にも尿酸塩は溜まりやすいようで、高尿酸血症や痛風の人は腎機能の低下も要注意です。
さらに、心血管障害や、脳血管障害などの割合も高いと言われています。要するに、痛風発作の激痛が起こるということは、尿酸による病気がこれから起こる、という予告なのです。
尿酸についてあれこれ
尿酸とは?
尿酸は、膀胱結石の中から発見された物質出そうです。その後、尿酸は生物の活動で重要な役割を果たす物質の最終産物だという事がわかったということです。
正確には、エネルギーを作り出すATPという物質が分解されると尿酸ができるということです。
この尿酸は、ほとんどの動物では分解されてしまい、体内にはたまらないそうです。ところが人間と一部の霊長類だけは、尿酸を分解する尿酸酸化酵素が遺伝的に働かないので、尿酸がたまってしまうそうです。
尿酸はプリン体の廃棄物にあたり、普通の人の体内では一日約0.6gの尿酸が作られるそうです。その尿酸の産出が増えたり、排泄仕切れないと、尿酸が体内に蓄積してしまうわけです。
尿酸の正常値
検査すると、尿酸の血液中の濃度が尿酸値や血清尿酸値と記入されています。男女ともにこの値が7.0mg/dLまでは基準値内出そうです。これを超えると異常で、高尿酸血症と呼ばれることになります。
尿酸の基準値を7mg/dL以下に置く理由があって、血漿中の尿酸の溶解度が基準になっています。通常の条件では、血漿の中で尿酸は7mg/dLまでは溶けてしまうそうです。これ以上は結晶になるやすいそうです。
尿酸値を上昇させる要因
遺伝的要因
尿酸に関係する遺伝子の中でも影響が強い遺伝子と、影響が弱い遺伝子があるそうです。しかし、これらの遺伝子の変異を持っている人は極めて希なので大多数の痛風や高尿酸血症には関係しないそうです。
ただ、大多数の痛風や高尿酸血症に遺伝子が関係しないというわけではなく、大多数の痛風や高尿酸血症に関係する遺伝子は、頻度は高くても、影響が弱い遺伝子だということです。
環境要因
1.食生活
肉食は痛風を増やし、海産物も痛風を少し増やすそうです。逆に、野菜は痛風を減らし、乳製品も減らすと言われています。
しかし、食生活だけに目を向けては失敗します。痛風の患者の60%は、肥満で、その肥満度が大きいほど尿酸値は高くなっているということです。
2.飲酒
アルコール飲料が尿酸値を高くします。それは、アルコールが分解される時に尿酸や乳酸が作られ、その乳酸が体内に尿酸を蓄積し、さらにプリン体が多く含まれる飲料があるということです。
アルコールが代謝されると尿酸値は上がります。ただ、尿酸のもとになるプリン体の量は種類によってかなり違っています。
研究では、ビールは痛風を増やし、蒸留酒も少し増やすそうです。これに対して、ワインは少し減らすと言う結果がでているそうです。
3.ストレス
ストレスが尿酸値を上昇させるそうです。激しい運動は尿酸値を一時的に上昇させますし、脱水状態になったときも血清尿酸値は上昇するそうです。
4.病気
腎臓の病気や、血液の病気が尿酸値を上昇させると言われています。悪性腫瘍が原因で高尿酸血症になることもあるそうです。
5.薬剤
薬剤には、尿酸値を上昇させるものがあると言われています。
生活の見直し
日常生活で注意するポイント
1.肥満の解消
総カロリーを制限する、偏食を避け、多品目を少量づつ、ゆっくり噛んで、食べることが大切です。
2.アルコールを控える
一気のみしない、たくさん飲まない、休肝日を設ける、ビールばかりにしないことを気を付けましょう。
3.水分を摂取する
季節を問わず尿が一日2リットル以上になるようにすることが理想ですが、少なくとも毎日2リットル以上の水分をとること。
4.軽い運動
ウォ−キングなどの有酸素運動は尿酸値を上げず、痛風の人に多い高血圧などの合併症にも有効です。
5.ストレスを緩和する
のんびりゆっくりを心がけ、ストレスを減らす対策が必要です。
6.プリン体を多く含む食べ物を避ける
プリン体は、尿酸の原料になり、そのプリン体の多い食品ばかり食べていると尿酸値が上昇して、痛風になる確率が上昇すると言われています。
7.尿酸値を下げる食べ物を食べる
・コーヒーには利尿作用のあるカフェインが含まれているので尿酸の排出を促すと言われています。
・牛乳などの乳製品はアルカリ性食品なので、体内の尿酸の排出を促してくれます。さらに、乳酸にはガゼインという物質が含まれていて、これが尿酸の排出を促進させるそうです。