最近の天気予報では画面で天気図を表示しますね。
あの中にある、低気圧と高気圧、昔理科で勉強したはずです。
それでは、思い出してください。なぜ、低気圧が来ると強い風が吹いて、雨が降るのでしょうか。
この記事では、低気圧の中でも特に強い勢力になる爆弾低気圧と呼ばれるものを紹介しています。
なお、この爆弾低気圧はあくまでも一般的な呼び名で、気象用語ではないことを知っておきましょう。
爆弾のように勢力の強い低気圧
台風とは違う、超強力温帯低気圧
温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気がぶつかって、混ざり合おうとしてできた低気圧のことです。
それが、急速に発達したものが爆弾低気圧。温帯低気圧は温帯気候の地域ならどこでも発生するため、爆弾低気圧も発生するという事になりますね。
爆弾低気圧は勢力が台風並みになります。そして暴風や大雨、高波、大雪をもたらし、対応が遅れると、大きな被害につながることもあるわけです。
日本でよく見られる時期は?
特定の時期に発生する
日本では10月から1月頃の冬の寒い時期と、2月から3月頃の春一番の時期に多く発生しているようです。
これは、やはり、大陸からの寒気と南からの暖気のぶつかり合いがはげしくなるわけで、低気圧の通り道にも関係します。
天気予報では「急速に発達した低気圧」
「爆弾低気圧」という言葉は正式名称ではありません。これは、たまたまわかりやすいたとえ表現として使ったことから転じたメディア用語なんですね。
したがって、正式な天気予報では「急速に発達した低気圧」という表現を使うみたいです。
地球温暖化のために海水温が下がらない
1つの説として、温暖化のために海水温の上昇が爆弾低気圧の発生数を増やしているというものです。
気温より海水温の方が高くなってしまったために、上昇気流がはげしく起こることになります。
海水温が下がりきらないところへ、強烈な寒気がやってくると、海水温と上空の温度差が40度ぐらいまで広がると、大気の状態が不安定になり、低気圧は超強力になってしまうと言うわけです。
「暖気核」って何?
異常気象が起こるには理由があった
さらに、日本海上を駆け抜けた低気圧が、台風並みに発達する原因として挙げられているのが、暖気核です。
これは、大陸からの寒気が南側の暖気の一部を取り囲んで空気の塊を作ります。これが「暖気核」です。
気圧の谷とともに南下してきた寒気が、暖気の一部を取り囲みます。そして、低気圧の下層に暖気核が形成されてしまったわけです。
この暖気核は日本海の東側で発生し、低気圧の中心付近と、その周囲で温度差が大きくなってしまい、特に東北地方では風が強まる要因になってしまったわけです。
爆弾低気圧の定義
やはり特別な低気圧と言うこと
気象庁によると、急速に発達する低気圧=爆弾低気圧は(緯度によってその基準は変わりますが)1日で約24ヘクトパスカル以上気圧が低くなることとなっています。
最近では、「爆弾低気圧」ということばがあまりにも普通に使われてしまっているので、ついつい気象用語だと勘違いしてしまうみたいですね。
夏場にゲリラ豪雨が発生することがあります。あの現象も、海水温と大気の温度差が原因となっているわけで、やはり、異常気象の一種だと言えそうですね。