日本は既に人口減少社会に入っています。
そのため労働人口も減っていると思うのは無理からぬことなんです。
ところが、現実は日本の労働力人口は、減っていないというのです。というより、増えているのが現実だとか。
実は、労働人口は、平成元年には約6200万人でしたが、平成30年9月には6877万人に達しています。
これは一体どういうことでしょうか。少子高齢化の現状との関係を知る必要がありそうですね。
この記事では、少子高齢化の原因と問題の本質、労働人口との関係を紹介しています。
何れにしても、日本の未来、気になるところですね。
労働人口の減少は間違いだった
原因は高齢者と女性の労働者数の増加
シニア=高齢者の労働者
65歳以上の高齢者の労働力人口が、平成24年の約610万人が、平成29年に822万人と5年間で200万人以上増加しています。
日本の労働者は、高齢になっても健康なので、高齢期に入ってからも長期間にわたり働き続けたいという傾向が見られます。
女性の労働者数
女性の労働力人口が、平成24年には2769万人が、平成29年には2937万人と5年間で約170万人増加しています。
その背景には、待機児童対策の進展や、女性の未婚化・晩婚化といったことが指摘されています。
労働者数が増えても、人手不足なわけ
全体の労働力人口は確かに大幅に増加していても、減少を示している部分が35~44歳の労働力人口なのです。
この世代の労働力人口は、平成23年に1582万人ですが、平成29年には1497万人になり、6年で100万人近く減っているそうです。
要するに、働き盛りの年代が減少しているので、中堅のスペシャリストが減少しているというわけです。
さらに、この世代は、平成10年代初頭の就職氷河期によって、経験値の高い人材が育っていないそうです。
人手不足の現状は外国人労働者の増加とも無関係でない
現在の日本の労働力人口増の要因は、高齢労働者と女性労働者の増加なので、この層に若年・中年の男性労働者のいわゆる現場系の仕事を全面的に代替は難しいと言われています。
労働力人口自体が増えても、職種によるギャップを埋めることができず、人手不足をもたらしているわけです。
さて、なぜ人手不足の職種ができるのか。それには理由があります。仕事が複雑多岐で覚えにくく、体力も必要、資格も必要といったことです。
これを克服するには業務の簡素化やIT化の推進が重要です。さらに、非熟練の人材でも働きやすく、高負担の業務の見直しも大切だと言われています。
また、職場内でのスキルアップやキャリアアップの機会を増やせば、人材育成も可能で、非正規労働者の正規転換は、立派な人手不足対策だと言われています。
少子化対策と労働者不足の問題は繋がっていく
現在の人手不足の直接の原因は、生産年齢人口(15~64歳)の減少ですが、その中でも、若年層が大きく減少しているのが現状です。
この年齢層の増加はちょっと対策をとったからといって増えるものでもなく、当面は減少することが予想されます。
また、少子化対策というと、子どもを産み育てることばかりに注目が行きますが、実は、一番のキーとなるのは女性の働き方だと言われています。
単に女性の就業率を高めるだけでは不十分なのです。要するに、子育てをしながらでも働きやすい環境を作っていかないと、持続性が保てない可能性があるわけです。
なぜなら、現状の労働環境では、子育てをしながら働く女性に負担が大きく、その裏で未婚率も上がってしまっています。
要するに、ずっと働き続けるために未婚を選ぶ女性も増えているというわけです。この状況を本気で変えない限り、出生率は上がることはないと言われています。