今まで、日本人の普通の生活では、なかなかナトリウム不足にはならないといわれてきました。
実は、今では、誰にでもナトリウム不足となってしまう状況もあるそうです。
なぜなら、食生活そのものが、偏ってしまって、その結果が現れてしまうからです。
この記事では、低ナトリウム血症の症状と重症化した時の怖さを紹介しています。
ナトリウム不足の怖さ
必須ミネラルだから絶対に欠かせない
体内のナトリウムが不足すると、倦怠感や疲労感があらわれます。さらに急激な減少が起こると、昏睡状態に陥ったりすることもあるといわれています。
ナトリウムの多くは血液中に存在します。そして浸透圧を一定に保ち、正常な細胞活動の維持に関わっていると言われています。
さらに、人間の体液を弱アルカリ性に保つ役割も持っていて、このバランスが崩れてしまうと、下痢や嘔吐、脱水症状、けいれんなどの症状が出現します。
他にも、水分の代謝や筋肉収縮、栄養素の吸収作用といったはたらきを行っています。
ふつう、ナトリウムは多くの食物に含まれており、私たちが日本の通常の食事を摂っている限りではナトリウム不足になることはめったにないそうです。
低ナトリウム血症とは?
ナトリウムが欠乏したら
ナトリウムが不足すると身体にはさまざまな不調が現れます。ナトリウムは血液や消化液のはたらきには欠かせません。
もし、摂取不足が起こると、体内に蓄えていたナトリウムを使うことで生命活動を継続しようとすることになります。
そのため、体内に確保していた予備のナトリウムを使う状況になり、その結果、ナトリウムを節約する状態が起こり、活動のペースが落ちてしまうのです。
その具体的な現れ方は、体内の水分量や血液、消化液の量を減らそうとすることになります。
血液量が低下
血液循環が悪くなり、頻脈、低血圧、頭痛、倦怠感や疲労感といった症状が起こることになります。
消化液の減少
食欲不振や吐き気を引き起こしたり、筋力が低下し筋肉痛が起こりやすくなったりすることがあり、急激な減少によって、筋肉のけいれん、昏睡状態が起こるそうです。
怖い低ナトリウム血症の症状
ナトリウム不足がもたらす病気
大きく3つに分類できるそうです。
1.体液量が減少する場合
副腎不全など腎機能に障害が起こることで、ナトリウム量が減少してしまいます。また、食事摂取量減少や下痢や嘔吐などによって、水分、ナトリウムともに失われることでも生じます。
2.体液量が正常な場合
むくみや脱水がみられない低ナトリウム血症です。これは、バソプレシン不適切分泌症候群や鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症などです。
3.体液量が増加する場合
うっ血性心不全やネフローゼ症候群などにともなって現れる低ナトリウム血症です。
体内の水分量の増加によって、ナトリウム濃度が低くなって起こります。むくみ、胸水や腹水といった身体的症状がみられることが多いそうです。
運動した後に欠乏する場合
食生活でナトリウムが不足することはほとんどありませんが、スポーツなどで多量の汗をかいたときや高温多湿の環境での作業したとき、激しい下痢や嘔吐の時に欠乏します。
低ナトリウム血症になったら
症状に応じて慎重な治療
もし、意識障害が発症たりすると、これはかなり重症です。すぐに不足しているナトリウムを点滴で補って、ナトリウム濃度の補正が必要です。
もし、補充の速度が早すぎると、脳にダメージを与えてしまうことがあるので、ゆっくり補充することが重要だそうです。
治療として、食塩そのものを摂取することもありますが、病気の種類によっては有害になるので、自己判断では行わないほうがいいです。
心不全や腎不全が原因の場合は、過剰な体内水分貯留が原因です。これは水分摂取制限を行って、利尿薬を使って水分を排出しなければならないそうです。このときのナトリウムの補充は症状を悪化させてしまうといわれています。
水中毒の場合は、水分摂取量を制限します。甲状腺機能低下症や副腎不全の場合はホルモン補充を行ないます。もし、薬剤性のものなら、原因薬剤を中止しなければなりません。