いつからか発熱インナーは生活の中に溶け込んでいますよね。
寒い時期には服の下にこれ一枚着るだけであたたかく感じますよね。なんか不思議です。服をいつものように着ただけなのに暖かい。
この発熱インナーはいまや衣料品メーカーはこぞって発売しています。来ているだけで体感温度がプラス3℃とか5℃とか種類はさまざまです。
この記事では、発熱インナーが暖かくなる原理、逆効果になる場合を紹介しています。
冬になると着たくなる発熱インナー
どうして暖かくなるのか
人間は運動で発する汗以外でも、皮膚から常に水分を発生させています。その量はなんと一日600ミリ~800ミリにもなるのです。
この発生した水蒸気が服との繊維とぶつかるときにできる熱を利用して熱が生まれるのです。なので、水蒸気を多くぶつけるためには水とくっつきやすい繊維を使う必要があります。
また、なるべくフィットしたものをきることで、摩擦がおおくなり、あたたかくなる熱をたくさん発生させることができるのです。なので大きめなのを着ると摩擦がすくなくなり、暖かさも半減します。
吸湿発熱機能
発熱インナーの肝
さきほど言ったように、発熱インナーは人から発生された熱を使います。この吸湿発熱機能は読んで字のごとく、人間から出た水蒸気を使って暖かくなるということです。
この機能が発熱インナーの重要なところなのです。この機能が秀でているか、劣っているのかで着ているときの感じ方がちがいます。
吸湿発熱素材は一般的な化学繊維と違って繊維が細く、表面積が広いので普通のインナーとは性能がちがうのです。表面積が増えると水蒸気を取り込みやすくなり熱もでやすくなります。
本当のところは?
暖かいのは初めの2、3分程度
発熱インナーはずっと着ているとずっと暖かいのかというとそうでもありません。さきほどいったようにこのインナーは体から出る水分を水蒸気に変えて発熱します。
ということは、一定量水分を取り込んだらもう発熱しなくなるということです。着た服をまた脱いで着ることはあまりないので着た直後しか発熱しないということです。
また、汗をかいた場合は乾きにくいというデメリットもあります。なので逆に肌寒くなるかもしれません。
着ていてもいまいち暖かくない
そう思っている方が実は多い
実は、衣料品に対するクレームで、断トツに多いと言われているのが、ヒートテックだということです。
要するに、ヒートテックを着ていても暖かくならず、逆に寒い思いをしてしまったなんてことが結構多いわけです。
原因はレーヨン?
ヒートテックにはレーヨンが2割程度使用されています。
ウールに次いで水分吸収率が高いので、長い時間発熱するのがレーヨンなのです。
ところが、吸水性はいいのに、速乾性がなく乾きにくいのです。したがって、汗をかくといつまでも湿ったままの状態になってしまうのです。
レーヨンの水分吸収率は14%なので、これを超える水分は行き場を失って肌にとどまってしまいます。それが気化熱で体温を奪ってしまうということになります。
ただ、レーヨンのせいばかりでもなく、汗をかきすぎたり、激しい運動をする人はヒートテックはあまりお勧めではないのです。