介護福祉士実務者研修という資格は、昔で言えばホームヘルパー1級に当たるそうです。
ただし、この研修は、2年以上の養成課程を持っている介護福祉士養成校の到達目標と同等の水準を身につけることが目的です。
要するに、現場で働いている人なら、介護福祉士になるための絶対条件なんですね。
この記事では、介護福祉士実務者研修の内容、資格の重要性を紹介しています。
介護福祉士実務者研修とは
介護福祉士への道
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位の資格になります。これを取得することでサービス提供責任者として働く道ができます。
また、医療的ケアやたん吸引など実践的なスキルも身に付くと言われています。
さらに、介護施設で働きながら介護福祉士の資格を取りたい人は、この実務者研修の修了が必須になります。ということは、介護職でステップアップを考えている人は、この資格はぜひ撮っておきたいものです。
基本的な介護提供能力を高める
介護福祉士へのキャリアアップ
介護福祉士国家試験の受験資格が、2017年から、実務者研修の受講・修了が条件になっています。
ということは、介護福祉士資格を目指す人は絶対にとっておかないといけない資格なのです。
さらに、今後の制度改正や新たな課題・技術・知見といったものにつながっていくと考えられます。
初任者研修との違い
資格取得のメリット
この介護福祉士実務者研修ができた経緯は、介護福祉士資格の取得方法の見直しがあったと言われています。
介護ニーズの高まりに合わせて、介護福祉士の資質向上が必要になっています。
そこでは、一定の教育課程を経て学んだ知識や技術が必要だというものです。
介護職員初任者研修よりも学習項目も多く、受講時間も長くなっています。したがって資格取得までの難しさも増しているのです。
初任者研修と主な違いは、受講科目と時間数です。また、この研修は介護福祉士試験の受験資格担っています。
受講科目と時間数
初任者研修は9科目で130時間、実務者研修は20科目で450時間と格段の差です。したがって、実務者研修の方がより専門的で深い知識を学習するわけです。
学習科目内容としては社会の理解から介護の基本、認知症の理解、障害の理解、こころとからだのしくみといったものです。
サービス提供責任者として働ける
実務者研修の資格があると、同行援護・行動援護の介護事業所以外でもサービス提供責任者として働くことが可能になります。初任者研修だけを持っている場合は、実務経験3年、540日以上が必要になります。
訪問介護計画作成、指定訪問介護の利用申込に係る調整といった仕事が可能になります。サービス提供責任者は訪問介護事業所では必ず配置しなければならない職業です。
医療的ケア
実務者研修のカリキュラムには医療的ケアが含まれていて、これは、初任者研修にはないものです。
資格手当による給与アップ
実務者研修を修了すると、より専門的な仕事、例えば医療的な、たんの吸引などもできるようになります。
そのことで仕事の質も向上し、待遇面にも影響する可能性が高くなります。
さらに、サービス提供責任者としての仕事が可能になるので、収入アップも期待できるわけです。
ただし、実務者研修を修了しただけでは介護福祉士試験は受けることはできません。さらに3年以上の実務経験が必要となっています。
就職や転職に有利
この資格を持つ人材はまだまだ不足しているのが現状なので、就転職時に有利だと言われています。実は、サービス提供責任者の配置基準で介護報酬減額があるのです。
指定訪問介護事業所ではサービス提供責任者の配置基準が決められているので、実務者研修資格を持っていないサービス提供責任者がいるだけで介護報酬が減ってしまうのです。
そのため、実務者研修資格を持たない人を雇用するのは事業所としては避けたい部分もあるのです。というわけで、実務者研修資格があれば、就転職に有利なのです。