「冬日」、「真冬日」は言葉が似ていますね。そこへ持ってきて、よく聞くのが「真冬並みの寒さ」という言い方でしょうか。
他にも、「この冬一番の寒さ」「平年並み」「観測至上一番の寒さ」「過去に例を見ない寒さ」と言った言葉がよく聞こえてきますね。
実は、このうちほとんどは、どれもわかったようなわからないような、曖昧表現なんです。
この記事では、寒さを表す言葉の意味や違い、正しい使い方を紹介しています。
気象用語では気温からしっかり規定
データもきちんと取れる
いろいろあっても、このうち、正しい気象用語は冬日と真冬日だけなんです。他は、「こういう状態」「比較して」という意味合いだそうです。
ただ、「真冬」がいつ頃をさすのかは暦の上でもはっきりしています。2月末頃の大寒あたりの日をさしていると考えられるそうです。
「真冬日」と「冬日」がのふたつの気温は「最高気温」と[最低気温]に基づいて出されます。
最高気温
1日の気温の変化の中で、最も高い気温になったときの値。だいたい午後2時頃になることが多い。
最低気温
1日の気温の変化の中で、最も低い気温になったときの値。だいたい夜明け前になることが多い。
ちなみに、冬日と真冬日の規定は次の通りです。
冬日
最低気温が氷点下になった日のことを言います。
真冬日
最高気温が氷点下になった日のことを言います。
ようするに、明け方、氷点下まで下がって、水たまりが凍ったりするのが冬日。日中も氷がとけないのが真冬日、というイメージでしょうか。
暦の流れでの感じ方
昨日よりも寒い、という世間話的使い方
天気予報などでも「この冬一番の寒さ」という言い方はよく使われていると思います。これは、ふだんの会話がそういうふうになっているからわかりやすいんですね。
というのは、寒さも、体感でいうと、慣れがあるので、その分、ずれてきてしまうわけです。
したがって、「この冬一番の寒さ」も、一冬の中で何度も出現することになります。でも、人間の感じ方は、それが一番すんなりと受け入れられるのかも知れません。
データだけでは説明しにくい
北国では、寒い前提で暮らしが成り立つ
たとえば、東京では、最高気温が一日中マイナス以下の「真冬日」などという日は、一年に何日あるかないか程度です。
しかし、北海道となれば、最高気温が、0度以下はある時期になれば、当たり前のことで、その程度が大きいか小さいかのレベルです。
寒波がくると、その寒波がもたらす空気は、マイナス15℃とかマイナス30℃といったことになっています。
その空気の影響がどこまで届くのかは年によってさまざまです。だから、寒さのことを話すときに、地域を限定しないと、うまく通じないことになるんだそうです。