採りたてのたけのこから、何とか自分で処理して、市販の水煮みたいにおいしく料理したいなと思ったことありませんか。
しかし、たけのこはあく抜きが大変、という印象があるので、二の足を踏んでいるかも知れません。
また、たけのこは、掘り出してからも、まだ伸びようとするらしく、掘ったそばからどんどん鮮度が落ちていくそうです。
たけのこは鮮度が勝負
時間とともにえぐみも増してくるたけのこ
たけのこって、ほんとうに、掘り出してから時間がたつほどえぐみが出てくるんだそうです。
というわけで、できるだけ早いうちに茹でてしまった方がいいわけです。また、掘ったその日のうちなら、水でゆでるだけでも大丈夫です。
皮付きのまま茹でるのには、わけがあります。それは、皮に含まれる成分が、実を柔らかくしてくれるんですね。また、たけのこの風味包んで逃さないためでもあるそうです。
茹でた後、そのままつけておくと、茹で汁が冷める間に、たけのこからあくが抜けていくんです。
たけのこのえぐみのもとはシュウ酸なので、それを溶け出すのが、あく抜きの目的です。また唐辛子を入れるのは、防腐効果があるからだそうです。
えぐみは体に害があるのか
害がなくても、気分が悪くなる
タケノコの主なえぐみはホモゲンチジン酸という物質です。
これは、チロシンというアミノ酸が酵素の働きでホモゲンチジン酸に変化したもの。
このホモゲンチジン酸自体は里芋などのえぐみと同じで食べても特に害はないとか。
また、チロシンはスーパーなどで売っているタケノコの水煮についている白い粉で、脳の機能を高める物質だそうです。
簡単にたけのこのあく抜きする方法
まずは、一般的な方法から
【材料】
・ぬか(一掴み)
・鷹の爪2~3本
【方法】
1.たけのこは、2~3枚皮をむき、先を斜めに3cmほど切り落とし、真ん中に切れ目を入れます。
2.お鍋に、たけのこが隠れるくらいお水とぬか、鷹の爪を入れます。
3.沸騰するまでは強火で、あとは弱火で1時間くらい茹でます。
4.竹串がスッと入るようになったら火を止めます。
5.圧力鍋があれば時間が短縮できます。ちなみに圧力鍋なら15分ぐらいで出来上がります。
6.そのまま、1時間以上、できれば半日~一晩冷まして皮をむきます。この間にあく抜きが進むので取りださないようにします。
米のとぎ汁で行う方法
【材料】
・米のとぎ汁
・鷹の爪2~3本
【方法】
上の方法で2.のところでぬかの代わりに、とぎ汁を入れます。大きな鍋に皮をつけたままお米をとぎ汁の最初の濃いところを鍋に入れてたけのこを入れて沸騰させます。
あとは、上と同じ方法で進めたらいいだけです。
大根おろしを使う方法
【材料】
・たけのこ中位のもの1本
・大根おろしの汁 200cc
・水200cc(あく抜き用)
・塩 小さじ1
【方法】
1.たけのこの皮をむいて縦4分の1に切ったら5ミリくらいに切ります。
2.大根おろしの汁と水を1:1の比率で混ぜ 塩を加えて、たけのこを1時間くらい浸しておきます。
1回で使い切れる程度の量のたけのこなら、大根おろしのあく抜きが簡単で便利かもしれませんね。
たけのこのあく抜きをする理由
おいしいたけのこを食べる絶対条件
たけのこはあく抜きをせずにそのまま煮ると、えぐみがすごくて食べられるもんじゃありません。
先ほども言いましたが、えぐみの正体はシュウ酸と、ホモゲンチジン酸という成分だそうです。
シュウ酸は過剰摂取すると、体内で尿路結石の原因となるそうです。ホモゲンチジン酸は、たけのこの栄養素であるチロシンが酸素と結びついて発生するんですね。
ホモゲンチジン酸はもともとがチロシンなので、食べても無害です。しかし、加熱しなければどんどん増加し、えぐみが増えてしまうんです。
このため、たけのこは収穫したら、できるだけ早く加熱することが大切だと言われているんです。
米ぬかや米汁のカルシウムは、シュウ酸に働いて、えぐみを減らすとともに、アミノ酸がたけのこの硬い繊維をほぐして柔らかくしてくれるそうです。
そのように、たけのこの香りや程よい歯ごたえは、米ぬかや米汁でのあく抜きがあってこそなんですね。