現在、野菜は大量に生産され、また、品種改良も何度も行われたために、どの野菜もおいしく食べやすい味へと変化してきました。
それと比べて、山菜は野生植物です。今でも山に自生しているものですから、苦味があったりして、味にくせがあるものが多いわけです。
その代表であるこごみの名前の由来や料理の仕方、そのほかの山菜のことを紹介しています。
季節の違いが山菜にはあります。春の山菜は、春の季節の訪れを知らせてくれるのですね。
クサソテツは「こごみ」?
こごみの名前の由来
クサソテツって何?と思う人もいるかも知れません。言葉だけ聞くと、葉野菜みたいですね。
じつは、クサソテツは観葉植物などで、良く見かける、シダ植物なんです。そして、その若芽がこごみということになります。
葉の先が、くるっと丸まっているのが特徴的です。人が縮こまっているように見えることから、こごみになったそうです。
こごみの呼び名は地方によっては、「こごめ」「ガンソウ」「カンソウ」などと呼ぶそうです。
こごみは成長が速く、1日で5cmから8cmまで芽を伸ばすとか。それで、一夜こごみなんて呼ばれているわけです。
天然のこごみは、2種類に分けられます。
一夜こごみ
一夜こごみは1晩で丸まっている部分が開いてしまうので、1晩過ぎると食べられなくなるという事から、一夜こごみとよばれるそうです。
柔らかくて細いのが一夜こごみの特徴です。大量に採取する事が難しいので、高級料亭などでしか流通していません。希少価値の高い、高級山菜ということです。
本こごみ
本こごみは一般的に売られている、通常のこごみです。太くてしっかりしているのが特徴です。
灰汁でのあく抜きがいらない
こごみの見た目は、ワラビやゼンマイなどにも似ているんですが、違いはこごみが灰汁でのあく抜きがいらないと言うことです。
そのために、他の山菜に比べると、調理がとても簡単です。そして味にくせがないので、お浸しや、炒め物、天ぷらといった料理の幅も広がるわけです。
山菜のこごみとは?
別名は「クサソテツ」
こごみは日本で昔から好まれている山菜ですね。天ぷらにしたり和え物にしたり、どの料理でも、とてもおいしいと人気です。
最近は、ゆがいてからサラダにのせて食べることもあるようです。
こごみの食べ方
食べやすい、クセのない山菜
こごみはうれしいことに、他の山菜に見られるアクやクセがあまりないのです。したがって、あく抜きもいらないし、味も淡白でさっぱりとしています。
下処理の段階でも、長時間水に付けるアク抜きや、酢に付けて臭みを取る、といった面倒な手間が必要ないんですね。
とったばかりのこごみであれば、そのまま生で食べても美味しく頂けるくらいですから。
こごみの下処理は?
下処理と言えるほどでもない処理
これが下処理といえるかどうかですが、まずこごみを水に付けてよく洗います。これは先の葉が巻いているところにゴミや虫が入っていたら洗うためです。
そのために、水の中でよくもみ込むようにして汚れを出してしまいます。また、こごみの根元と巻きの先端部分が堅くなっていたら切り落としておきます。
ゆでるときは?
ゆでる場合は、沸騰したお湯1リットルに塩20gを入れて洗ったこごみをゆでます。和え物なら1~2分位です。ゆであがったら氷水で色止めをして、キレイな黄緑色に仕上げます。
こごみの天ぷら
思わずほろっとする味わい
山菜の天ぷらは、さくっとした歯触り、ほろ苦い後味、そして野性味あふれる香りなどが楽しめる、絶品料理の1つです。
手軽でおいしいことから、天ぷらは山菜レシピの王道だとも言えます。色、香り、風味を損なわないよう、衣は薄めにつけて、短時間で揚げるのがポイントです。
1.衣のつけかた
ボウルに卵を割りほぐして、冷水を少しずつ加えてよく混ぜ合わせます。そこへ小麦粉を加えてから、粉っぽさがなくなるまでゆっくり混ぜます。
こごみに、茶漉しで小麦粉を全体にふりかけます。その後、天ぷら衣液に具材をくぐらせます。衣液は混ぜすぎないこと。グルテンが発生してしまうと、カラッと揚がりません。
2.揚げかた
170度の中温の油で少量ずつ揚げます。ほんのりきつね色になればOKです。小さめのものなら20秒ほど、大きいものでも40秒程度で揚がります。
3.食べかた
山菜の風味を生かすためにも、こごみの天ぷらは、天つゆや塩でいただきます。抹茶塩や山椒塩など別の風味はこごみの風味を殺すのでやめた方がいいでしょう