世界のグローバル化の流れは止まることはないでしょう。
なぜなら、昔と違い、情報というものが存在していることと、エネルギー問題も大きく変容するからです。
しかし、政治の世界では、独裁が横行するという不思議な事態になります。
この記事では、難民が生み出される現状と中東の不安定要素、さらに世界に多く存在する独裁政治の今と内戦のことを紹介しています。
行き着く際のない泥沼のような現実と戦おうとしている人たちの存在はどういったものでしょう。
世界のグローバル化は人類発展の歴史
自国第一主義は歴史上は少数派
世界のグローバル化は、人類の歴史において途切れることなく続いてきました。これは歴史的な潮流でもあ流といわれています。
これにより、高度な国際分業が進んで、経済的繁栄が実現したわけです。いまや、人類の大部分はほぼ1つのグローバル世界に住んでいるとも考えられます。
ヒト、モノ、カネといったものが国境を越えて自由に行き来することで経済はさらに活性化し、文明を一層高度化するという流れが長く続いてきたわけです。
ところが、ここにきて、グローバル化のは副作用が目立ってきたようです。
というのは、異なる宗教、異なる価値観や行動規範を持つ者同士でも、経済的利益のためなら互いに認め合い、共存しようというのがグローバリズムです。
この理念が、現実の世界で、ことごとく打ち砕かれつつあるというのが現在なのです。
多様性が作り出した世界文明
もはや止められないグローバル化の流れ
多様性が大切だということは誰しも認めるところでしょう。今や、グローバル化なくして、世界経済は成立しません。
現実的に、グローバル化の流れを止めることはあり得ないでしょう。その結果、さらに矛盾を抱えながらグローバル化進んでいくわけです。
と同時に、新しい摩擦がどんどん生み出されていくという、悪循環が生まれているといわれています。
それ対する答えを、政治は出せないでいるのです。先進国も政治的な混迷に相対しているわけです。
移民が世の中に必要になった
日本も、移民大国へ
ロンドンでタクシーに乗ったり、レストランで食事をしたりすると、サービスをしてくれる人はほとんど外国人です。
日本にとっても他人事ではありません。2015年時点で、日本への流入者、90日以上在留予定の外国人が約39万人になって、もうすでにOECD加盟35カ国中4位の移民大国になっているそうです。
今後、日本も欧米と同じように移民との摩擦問題に直面することは避けられないでしょう。この、おそらく止められない移民の増大にどんな社会政策が行われるかが問題になっています。
世界中で外国人との共存がさらに問題化して、本格的な議論の必要性が増しているわけです。
難民問題の人道的な課題
中東やアフリカなど、5年間で1.5倍
国連難民高等弁務官事務所(以下UNHCR)が難民の数を毎年発表しています。この統計によれば、2017年末時点のデータでは、約2,540万人の人々が難民になって自国を離れています。
世界的に見ると、移民の総数は2億5,800万人だということです。すると、生まれた国以外で生活する人の約10人に1人は難民という計算になるんですね。
さらに、UNHCRの統計によると、国境を越えていない国内避難民に至っては約4,000万人にのぼるということです。
この難民と国内避難民を合わせるとなんと6,500万人以上の人が住んでいた場所を追われたことになります。
難民の発生国
将来への展望が見えない
さて、難民発生の数を国別で見てみるとどうなるでしょうか。
2017年末の主な難民発生国です。(UNHCR Global Trends2017より)
・1位:シリア (630万人)
・2位:アフガニスタン (230万人)
・3位:南スーダン (240万人)
・4位:ミャンマー (120万人)
・5位:ソマリア (99万人)
シリアは、10年前に始まった内戦によって発生しました。アフガニスタンとソマリアは本当に長期間にわたって発生し続けています。
南スーダンとミャンマーは、内戦の激化や、ロヒンギャ問題によるものです。
難民の受入国
ヨーロッパの社会問題に
難民のほとんどは陸路で隣の国に逃れます。したがって、発生国と国境を接している国が多くの難民を受け入れるわけです。
2017年末時点の主な難民受入国(UNHCR Global Trends2017より)
・1位:トルコ (350万人)
・2位:パキスタン (140万人)
・3位:ウガンダ (140万人)
・4位:レバノン (99万人)
・5位:イラン (97万人)
・6位:ドイツ (97万人)
・7位:バングラデシュ (93万人)
受入国の多くが開発途上国とされる国々です。全体の約85%を途上国が受け入れていて、これも問題の深刻化を物語っています。
自国も豊かではない中で、多くの難民の保護ができるはずがありません。