ハラル認証というものをご存知ですか?一般の日本人であるとなかなか触れる機会が少ないでしょうか。
しかし、最近、インドネシアの方が多く日本に来て、結構耳にする機会も増えて来ているようです。
実は、この認証はイスラム教徒の方々にはとても重要なものになっているそうです。
なぜなら、信仰の根幹をなす部分だからです。
この記事では、ハラル認証、ハラルフードの料理、そして、なぜイスラム教の人がそれを守るのかを紹介しています。
他国の文化を知ることがグローバルな生き方には必要なものです。色々と学びましょう。
ハラル認証って何?
イスラム教徒の方々にとっては大事なもの
まず、ハラル認証の「ハラル」という言葉についてです。
イスラムの教えで「許されている」、「合法なもの」などの意味を持つ「ハラール」という言葉からきています。この「ハラール」という言葉はアラビア語になります。
そういった点を踏まえると「ハラル認証」というのは「イスラム教で許されていると証するもの」ということになります。
主に、イスラム教の戒律に則って調理、製造された商品などに証することができるのです。
その為、イスラム教が普及していない日本を含む海外などでも、イスラム教徒の方がお店に並んでいる商品はイスラム教の戒律で禁じられているものかどうかという判断ができるようになるのです。
お店に並んでいるものは、調理、製造、流通ルートなど不明ですから、様々なものが戒律で禁じられているイスラム教の方々には不便ですよね。
そういったことを解消して、イスラム教徒の方々が安心して利用などができるようにするのが目的とされているようです。
また、許されているという意味を持つ「ハラール」という言葉とは逆に、禁じられているものという意味を持つ「ハラーム」という言葉もあります。
「食べることを許されている食物」ハラルフード
教えから許されているもの、禁じられているもの
ハラルフードはイスラム教で食べることが許されているものになります。では、イスラム教ではどのような食べ物が許されているのでしょうか?
具体的には「イスラムの教えに従って処理された牛肉、鶏肉など」、「野菜」、「果物」、「お米などの穀類」、「魚」、「卵」、「牛乳、乳製品」、「水」などが許されているものとして「ハラルフード」とされます。
主に、水や土の中で育ったものとされるのはハラルフードともいわれているそうです。
逆に許されていないハラームのものは「豚、豚からできているもの」、「犬」、「かぎ爪のあるような動物、トラやライオンなどの肉食獣」、「血液」、「死んだ動物の肉」、「アルコール」などが教えによって禁じられているとされています。
しかし、これらは宗派や個人によって守っている範囲に違いが出てきたりするようです。
例えば、アルコールは飲酒目的では摂取しないが、アルコール消毒、魚や肉の臭みをとる為に使用するなどはOKとしている方々もいるそうです。
それに対して、「豚肉やアルコールを含む調味料、それらに接触した食器もダメ」という方々もいるので、イスラム教徒といっても様々にあるようです。
日本人でも「血液」を口にするというのはいいイメージがないですよね。
何故ここまで守るのか
信心深いイスラム教徒の方々だからこそ
では、イスラム教徒の方はどうしてここまで守り切ろうとするのでしょうか。
イスラム教を信仰する人たちは、この世で唯一の神アッラーの教えに従って生活をするのです。
そして、そのアッラーが開祖ムハンマドに下した啓示というものをまとめているのが聖典コーランには、
「アッラーがあなたがたに授けられた、合法にして善いものを食べなさい」
「あなたがたに禁じられたものは、死肉、(流れる)血、豚肉、アッラー以外の名を唱え(殺され)たもの、絞め殺されたもの、墜死したもの、角で突き殺されたもの、野獣が食い残したもの、(ただしこの種のものでも)あなたがたが止めを刺したものは別である」
「誠に酒と賭け矢、偶像と占い矢は、忌み嫌われる悪魔の業である。これを避けなさい」
といったように、生活において許されるものや、禁じられるものについて書かれているのです。
したがって、ハラルの食品のみを口にするという事はすなわち、「神の教えに忠実に従うことになる」のです。
神がよいとするものを食す、教えに反するものを食すことは背信行為とされる・・・このように神への信仰心の強いイスラム教徒にとっては、教えに反することをするのは犯罪行為と同じと考えているようです。