ポリフェノールという物質の名前は聞いたことがあると思います。
しかし、それがどんな風に体の中で働くのかは、あまりわからないことが多いのではないでしょうか。
この記事では、ポリフェノールのさまざまな働き、多く含む食材を紹介しています。
何か一つというより、多くの食物から取り入れるのが健康の秘訣ですね。
チョコレートに含まれるポリフェノール
ポリフェノールの抗酸化作用
ポリフェノールとは、分子の中にフェノール性水酸基といわれるものを複数もつ植物成分の総称です。複数持つことを「ポリ」というので、「ポリフェノール」なんです。
ポリフェノールは、植物が自身を活性酸素から守るために作り出す物質だそうです。活性酸素が増えると、さまざまな悪影響が生じるのでそれを押さえてくれるわけです。
じつは、ポリフェノールは、8000種類以上もあると言われていて、植物に広く分布し、子孫を残すための種子や、紫外線がよく当たる葉に、特に多く含まれるわけです。
ポリフェノールが多い植物としては、ぶどう、カカオ、お茶、ブルーベリー、コーヒー豆などで、ポリフェノールの種類によって、独自の機能があるそうです。
ポリフェノールは水に溶けやすい性質があります。そのために、長期間効果は持続しないので、毎日こまめに摂る必要があるわけです。
摂取します。
ポリフェノールの主な働きとは
植物が作り出したすばらしい物質たち
植物の種類のよって、さまざまなポリフェノールがあり、それぞれがすごい働きを持っています。
1.活性酸素の除去
がんの予防に役立つといわれています。
2.抗酸化作用
悪玉のLDLコレステロールの酸化を阻害します。動脈硬化を予防します。
3.血糖値や血圧値を正常化する
糖尿病や高血圧の予防に役立ちます。
4.殺菌作用
カテキンやタンニンなどに確認されています。
人間にもポリフェノールが必要
人間は自分で作れないから食べて摂る
じつは、人間の体内に入った一部の酸素は、スーパーオキシドや過酸化水素といった活性酸素に変化してしまうのです。
これは、体内の酵素などの力で消去していくのですが、残った活性酸素は細胞を傷つけます。またヒトの細胞内の脂質を酸化して過酸化脂質を作って悪影響を与えるわけです。
植物中のポリフェノールは、表皮や種子に多く含まれているのです。たとえば赤ワインには多く含まれていますが、果皮を取り除いた白ワインにはあまり含まれていません。
人の抗酸化作用を助ける
人にも老化防止や体内の酸化を阻止する作用があります。体内のSOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)という抗酸化酵素です。
しかし、40歳を過ぎると、SODが減少していきます。したがって、ポリフェノールは年齢と共に意識して摂取すべきなんですね。
ポリフェノールは熱に強く、壊れにくい性質があります。しかし、酸化しやすく、空気に会うと減少していくので、調理後は、早く食べる必要があります。
それぞれのポリフェノールの効果
独自の効果が期待できる
1.アントシアニン
有名な、視機能の改善効果です。光の情報を信号化する役目を担うロドプシンというたんぱく質をサポートするので、目の酷使よって生じた疲労の予防や改善に効果的だといわれています。
2.レスベラトロール
肌や唇を若々しく保つ効果です。長寿効果や若返りの効果が期待されていて、肌細胞にも良い影響を与えるので、美肌維持効果も期待されているそうです。
3.イソフラボン・リグナン
更年期障害の症状改善が期待されます。更年期障害は、加齢や閉経などの要因でエストロゲンの分泌が減少することによって起こる症状です。
イソフラボンやリグナンは、女性ホルモンに似た物質なので、体内でエストロゲンと似た働きを行うわけです。
4.ヘスペリジン
末梢血管を強化させる作用があり、血流を改善します。ヘスペリジンの働きによって血流が改善されると、冷え症などの症状にも効果が発揮されるそうです。
5.クルクミン
クルクミンは、胆汁の分泌を活発化します。飲酒の際にウコンがいいといわれるのは、ウコンに含まれるクルクミンによって、肝機能を高まり、アルコールの分解などを促進するからです。
6.カテキン
肝臓でつくられる胆汁酸の排出を促進し、血液中のコレステロールの増加を抑える作用があります。そのため、カテキンが生活習慣病の予防や改善に効果的なわけです。
7.タンニン
タンニン酸には持つ収れん作用があり、皮脂腺や開いた毛穴などを縮ませます。そのため、肌の毛穴を目立たなくすることができるわけです。